2023 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation into neuronal repair and functional recovery in neurodegenerative diseases
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21H02819
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science |
Principal Investigator |
原田 高幸 公益財団法人東京都医学総合研究所, 疾患制御研究分野, 参事研究員 (90345306)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
行方 和彦 公益財団法人東京都医学総合研究所, 疾患制御研究分野, 副参事研究員 (70392355)
原田 知加子 公益財団法人東京都医学総合研究所, 疾患制御研究分野, 研究員 (20435720)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 神経変性疾患 / 遺伝子治療 / 軸索再生 / 視神経再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳や視神経などの中枢神経系において神経回路が傷害されると、その修復や機能の改善は不可能と考えられてきた。しかし近年では軸索伸長等を促進する因子として、脳由来神経栄養因子(brain-derived neurotrophic factor; BDNF)などの神経栄養因子が注目されている。しかし神経栄養因子は半減期が短いことから繰り返し投与の必要性があり、また仮に反復投与できたとしても、受容体の発現量が低下するなどして、持続的な効果を得ることは難しいと考えられてきた。本研究ではBDNFの高親和性受容体であるTropomyosin receptor kinase B(TrkB)の細胞内領域のみ(iTrkB)を細胞膜に強制発現させるアデノ随伴ウイルスベクター(AAV-iTrkB)を作製した。これを緑内障の疾患モデルマウスに眼球内投与して、網膜神経節細胞に対する神経保護効果を調べた。さらに視神経または上丘の外傷モデルに対しても同じAAV-iTrkBベクターを投与し、視神経軸索の再生効果について検討した。今回開発したAAV-iTrkBベクターでは、一度だけの眼球内投与により、BDNFの投与無しに、網膜神経節細胞における細胞内シグナルを活性化することに成功した。また緑内障の疾患モデルマウスにおいても神経保護効果を促進し、神経変性の進行を抑制した。さらに視神経外傷モデルにおいては、視神経軸索が視交叉に到達するほどの強力な再生効果が確認された。一方、上丘外傷モデルにおいては、再生線維が切断部位を超えて上丘内に到達し, 視機性動眼反射が一部改善した。以上からAAV-iTrkBベクターを用いた遺伝子治療が神経変性疾患の進行抑制や機能回復に寄与する可能性が示された(Molecular Therapy, 2023)。さらにiTrkBの全身投与型ベクターを作製して、その効果を検討中である。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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