2022 Fiscal Year Annual Research Report
Long read sequencing to expand the accessible genetic architecture of autism
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21H02848
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
木村 大樹 名古屋大学, 医学系研究科, 講師 (30612783)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 長秀 名古屋大学, 医学部附属病院, 准教授 (50846714)
Aleksic Branko 名古屋大学, 医学系研究科(国際), 特任准教授 (60547511)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 全ゲノムシークエンス / 自閉スペクトラム症 / ロングリードシークエンス / GWAS |
Outline of Annual Research Achievements |
近年1分子シークエンス技術の進化と共に1万塩基以上に及ぶロングリードを用いたシークエンスが可能となり、ショートリードのWGSでは同定困難な小規模なゲノムコピー数多型(CNV)や、全ゲノム配列の約半分に及ぶリピート配列の変異が同定可能である。 以上を踏まえ本研究では、自閉スペクトラム症(ASD)脆弱性変異を効率良く同定可能と考えられるASD多発家系の中から、①従来のショートリードのWGSでは脆弱性変異が同定されないASD多発家系を抽出、②家系全体を対象にロングリードによるWGS、③変異のサイズ、頻度、遺伝子発現への影響に基づくフィルタリング、④発症脆弱変異の家系内での意義付け評価、⑤発症脆弱性を有する小規模CNVやリピート配列によるASD発症メカニズムの検証、を実施する。 令和5年度は、ASDと、ASDと共通の遺伝要因を持つ統合失調症の多発家系を対象として全ゲノムジェのタイピングを実施し、ポリジェニックリスクスコアを算出し、ASD多発家系の発症にコモンバリアントが関与する影響を評価した。その上で、令和4年度までに同定を試みたレアバリアントとコモンバリアントの影響が認められなかった家系、つまりロングリードによる多発家系解析にてASD発症脆弱性変異が同定される期待値の高い家系を抽出した。さらに、令和4年度に引き続き、ASD多発家系のロングリードシークエンスから、小規模なゲノムコピー数多型(CNV)や、全ゲノム配列の約半分に及ぶリピート配列の変異を抽出するパイプラインの改善を行ない、同定される変異のASD多発家系発症への影響力の評価を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究遂行上、より高精度なロングリードシークエンスのデータ取得が不可欠であり、ロングリードシークエンスのデータには、DNAの取得時期や抽出方法が強く影響することが判明し、古いDNAでは良好な結果が得られずに、新規にDNAを取得する必要がある必要が生じたため、当初の予定よりもやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も、ASD多発家系のロングリードシークエンスで得られたゲノムバリアントのサイズ、頻度、遺伝子発現への影響に基づくフィルタリング方法を構築・改善し、発症脆弱性変異の多発家系内での意義付け評価、発症脆弱性を有する小規模CNVやリピート配列によるASD発症メカニズムの検証、を実施する。その後、ASD多発家系の全ゲノム関連解析(GWAS)の結果も統合し、個々のASD患者のレベルにおいて、ASD発症へのリスクスコアを算出することを検討している。
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