2021 Fiscal Year Annual Research Report
At-211標識アミノ酸を用いた治療効果の高いα線治療法の創出
Project/Area Number |
21H02871
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
花岡 宏史 関西医科大学, 医学部, 教授 (50361390)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 茂樹 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子応用研究所 放射線生物応用研究部, 主幹研究員 (10450305)
金井 彩香 群馬大学, 大学院医学系研究科, 寄附講座等教員 (10847495)
渡部 直史 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (90648932)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 内用放射線療法 / アミノ酸 / At-211 / 薬剤併用効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らはこれまで、がん診断用薬剤としてRI標識αメチルフェニルアラニン(AMP)誘導体を開発してきた。RI標識AMP誘導体は腫瘍に対して高集積する一方で、非特異的な臓器への集積が少ないことから、細胞殺傷効果の高いα線放出核種「アスタチン-211(211At)」で標識したAMP誘導体は、治療効果の高い内用放射線療法用薬剤となることが期待される。そこでAMPの2位に211Atを導入した2-211At-AAMPを作製し、担癌マウスに投与したところ、一定の治療効果は認められたものの、その効果は不十分であった。そこで本研究では、治療効果を増強するための戦略として、① 2-211At-AAMPよりも腫瘍集積性・滞留性に優れた211At標識アミノ酸誘導体の開発、② 他の薬剤との併用による211At標識AMP誘導体の腫瘍集積性・滞留性の向上、という2つの検討を行い、併用薬を含めた総合的な治療法として効果の高い、211At標識AMP誘導体を用いた内用放射線療法を開発することを計画した。 2-211At-AAMPに対して有機アニオントランスポーター1阻害剤であるプロベネシドを前投与したところ、腫瘍の集積性および滞留性が向上した。それに伴い2-211At-AAMPの担癌マウスに対する治療効果も増強したことから、プロベネシドの併用は 2-211At-AAMPの治療効果増強において有効であることが明らかとなった。 また新規AMP誘導体としてAMPの側鎖ベンゼン環の任意の位置に211At導入部位、それ以外のいずれかの位置にフッ素を導入した標識前駆体を設計し合成を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
プロベネシドの併用により2-AAMPの治療効果を増強することに成功し、新たな211At薬剤についても設計し、合成を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
新規211At標識AMP誘導体としては、AMPの側鎖ベンゼン環の任意の位置に211At導入部位、それ以外のいずれかの位置にフッ素を導入した標識前駆体の合成を行う。前駆体が合成出来たら、まずは125I標識体を作製し、健常マウスにおける体内分布実験を実施する。その結果、適度な血中滞留性を示した薬剤に関しては、担癌マウスを用いた体内分布実験を行い、腫瘍集積性・滞留性を確認する。体内分布実験による比較評価を行い、期待する体内動態を示した薬剤に関しては、211At標識を行い、健常マウスおよび担癌マウスにおける体内分布および腫瘍集積性を検討する。 薬剤との併用効果については、本年はアミノ酸前投与による腫瘍細胞内滞留性の向上を目指す。細胞内におけるLAT1の基質となるアミノ酸の量をあらかじめ増やしておくことで、取り込まれた211At標識AMP誘導体の細胞外放出を競合的に抑制できると期待される。まずはインビトロにおいて細胞取込みに与えるアミノ酸前処置の影響を検討する。続いて担癌マウスを用いた検討を行い、インビボにおけるアミノ酸前投与の効果の確認およびプロトコールの最適化を行う。 最も適した体内動態および腫瘍集積性を示した211At標識AMP誘導体に関しては、上述で検討を行うアミノ酸の前投与および昨年度その有用性を明らかにしたプロベネシドの前投与を含めた薬剤併用効果の検討を行い、必要に応じて薬剤併用プロトコールの最適化を行う予定である。
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Research Products
(2 results)