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2021 Fiscal Year Annual Research Report

制御領域の変異同定と非コードRNA転写・スーパーエンハンサー活性化機構の解明

Research Project

Project/Area Number 21H02878
Research InstitutionTokyo Medical and Dental University

Principal Investigator

磯田 健志  東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (80815225)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 高木 正稔  東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (10406267)
森尾 友宏  東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (30239628)
Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywords非コードRNA / ThymoD / エピジェネティクス / 白血病 / メチル化 / 転写 / ゲノムの3次元構造
Outline of Annual Research Achievements

ThymoD転写とゲノムの3次元構造の検討; B細胞系及びT細胞系白血病細胞株を用いて標的としているThymoD-BCL11B領域のクロマチンの状態をATAC-seq、転写産物をRNA-seq、RNAポリメラーゼIIの結合状態及びヒストン修飾をChIP-seqにより実施した。これらによりBCL11Bスーパーエンハンサーの活動性はT細胞系腫瘍で高く、細胞株間で活性化状態に差があることを確認した。本検討ののちに、5種類の細胞株及び正常T細胞に対してHi-C法を実施した。正常T細胞及びすべての白血病細胞株において、ThymoD-BCL11B領域のドメイン構造の構成が異なることを確認した。

ThymoD転写とメチル化制御機構の解明; スーパーエンハンサー上で生じる非コードRNA ThymoD転写がDNAメチル化に影響するか検討を行った。ThymoD転写量及び3次元構造の異なる細胞株に対して脱メチル化因子の結合状態についてChIP-seqを用いて検討した。本検討で結合状態が高い細胞株を同定することができ、ThymoD転写との関連を検討した。アクチノマイシンD、BRD4阻害剤、CDK7阻害剤それぞれを添加しThymoD転写を停止させ、時間軸で脱メチル化因子の結合状態、ヒストン修飾をChIP-seq法、ゲノムの3次元構造をHi-C法を用いて検討した。これまでの解析で脱メチル化因子の結合状態、ヒストン修飾状態の減弱を確認できており、Hi-Cの解析を予定している。

ThymoD転写領域にリクルートされる候補分子の同定; 白血病細胞株にdCas9-APEX2システムを用いた標的ゲノム周辺の蛋白質修飾法を用いたプロテオミクス解析の準備を行った。一部の細胞株にdCas9-APEX2の導入に成功し、標的領域に対するsgRNA発現プラスミドの作成を終えている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の予想通り、ThymoD-BCL11B領域が広い遺伝子砂漠上に位置していることから転写停止により3次元構造への影響を可視化することができている。B細胞系およびT細胞系白血病細胞株のクロマチンの開閉状態、ヒストン修飾、転写活動と転写物のデータを取得済みであり、加えてHi-C解析を実施できた。非コードRNA転写とメチル化及びゲノムの3次元構造を評価するための基礎データを入手できていることが理由として挙げられる。転写活動の違い、阻害剤を用いた急激な非コードRNA転写停止が、スーパーエンハンサー活性化維持にどのくらいの時間経過で影響を与えうるか、非コードRNA転写領域にリクルートされる候補蛋白質の結合状態を評価して検討することにつなげられると考えている。加えて、dCas9-APEX2を利用した近接性依存性標識法によるスーパーエンハンサー上にリクルートされる蛋白質複合体の検討準備を行っており、一部の細胞株で網羅的プロテオミクス解析の前段階に到達したことも理由として挙げられる。

Strategy for Future Research Activity

ThymoD転写とゲノムの3次元構造の検討; ThymoD転写停止後、時間軸で得たHi-Cデータを取得している。解析を行い、転写停止の影響をゲノムワイド及び標的領域であるThymoD-BCL11Bドメインの変化に注目し比較検討を行う。これにより転写停止後、どのくらいの時間でゲノムの3次元構造に変化が生じるか抽出でき、転写活動とスーパーエンハンサー活性化維持機構の関連について検証する。

ThymoD転写とメチル化制御機構の解明; 転写停止後、脱メチル化因子のリクルート低下を確認している。転写停止後、どのくらいの時間軸でDNAメチル化自体の変動を生じるか、標的領域を中心としたメチル化解析を行い検討する。転写活動に伴いゲノム上に形成される構造物の検討としてDNA-RNAハイブリッドであるR-loopが知られている。白血病細胞株における予備検討を行い、R-loopの時間軸での変化も検討課題として取り組んでいく。

ThymoD転写領域にリクルートされる候補分子の同定; dCas9-APEX2システムを用いた標的ゲノム周辺の蛋白質修飾法を用いたプロテオミクス解析を実施する。sgRNA標的領域にdCas9がリクルートされているかChIP PCR法を用いて確認を予定している。標的領域への到達が確認されたらビオチン化反応の誘導を行い、蛋白質の抽出を予定する。プロテオミクス解析は学内の解析センターとの打ち合わせを行ったところであり、今後予備検討結果を検討して解析を進める計画である。これらにより、非コードRNA転写がどのように候補蛋白質を転写領域に誘導し、スーパーエンハンサーの活性化に寄与するか引き続き検討を進めていく。

  • Research Products

    (4 results)

All 2022 2021

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 3 results,  Open Access: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Novel variants for Glanzmann thrombasthenia manifesting with purpura at birth2022

    • Author(s)
      Eguchi Shiori、Isoda Takeshi、Yamaguchi Asuka、Takagi Masatoshi
    • Journal Title

      Pediatrics International

      Volume: 64 Pages: e15149

    • DOI

      10.1111/ped.15149

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Identification of Germline Non-coding Deletions in XIAP Gene Causing XIAP Deficiency Reveals a Key Promoter Sequence2022

    • Author(s)
      Sbihi Zineb、Tanita Kay、Bachelet Camille、Bole Christine、Jabot-Hanin Fabienne、…Isoda Takeshi(24人中20番目)、…、Kanegane Hirokazu、Latour Sylvain
    • Journal Title

      Journal of Clinical Immunology

      Volume: 42 Pages: 559~571

    • DOI

      10.1007/s10875-021-01188-z

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Successful ruxolitinib administration for a patient with steroid‐refractory idiopathic pneumonia syndrome following hematopoietic stem cell transplantation: A case report and literature review2021

    • Author(s)
      Tomomasa Dan、Isoda Takeshi、Mitsuiki Noriko、Yamashita Motoi、Morishita Aoi、Tomoda Takahiro、Okano Tsubasa、Endo Akifumi、Kamiya Takahiro、Yanagimachi Masakatsu、Imai Kohsuke、Kanegane Hirokazu、Takagi Masatoshi、Morio Tomohiro
    • Journal Title

      Clinical Case Reports

      Volume: 9 Pages: e05242

    • DOI

      10.1002/ccr3.5242

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] ロングリードシークエンサーを用いた先天性免疫不全症・白血病発症機構の解明2021

    • Author(s)
      磯田健志
    • Organizer
      令和3年度川野小児医学奨学財団助成研究成果発表会

URL: 

Published: 2022-12-28  

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