2021 Fiscal Year Annual Research Report
生体内組織形成術と軟骨細胞自己凝集化技術を組み合わせた大動物気管再生モデルの確立
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21H02987
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
奥山 宏臣 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (30252670)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
出口 幸一 大阪大学, 医学系研究科, 特任助教(常勤) (00747082)
岩崎 駿 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (40882254)
中山 泰秀 東京大学, 医学部附属病院, 客員研究員 (50250262)
岩井 良輔 岡山理科大学, フロンティア理工学研究所, 講師 (60611481)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 再生医療 / 気管移植 / 組織工学 / 軟骨再生 / 細胞外マトリックス |
Outline of Annual Research Achievements |
われわれは難治性小児気管・気管支先天異常に対する、より生体適合性の高い再生気管の開発を目標としている。これまで開発した生体内組織工学で作成したコラーゲンチューブと独自の培養技術により作成したscaffold-free軟骨輪を組み合わせたhybrid-biotubeを、大動物を用いてコンセプト実証実験を行うことが本研究課題の目的である。 モデル動物としてNew Zealand rabbitを用い、hybrid-biotubeのスケールアップ技術を開発中である。生体内組織工学にて、試験的に鋳型を皮下埋入を行った。その結果、本モデル動物で十分な強度のコラーゲンチューブが作成可能であることを確認し、気管用hybri-biotubeの専用鋳型を作成した。 次に、細胞自己凝集化技術(cell-self aggregation technology: CAT)によりscaffold-free 軟骨輪 を作成した。本モデル動物の肋軟骨より軟骨片を採取し、自家軟骨細胞を分離・培養しうることを確認した。現在、この軟骨細胞を用いて軟骨輪を作成するプロトコールを開発中です。 更に、hybrid-biotube気管移植時の内腔被覆を行うべく、本モデル動物の口腔より粘膜上皮を採取し、口腔粘膜上皮を分離・培養した。口腔粘膜上皮の培養は可能であることが確認できた一方、継代ととともに口腔粘膜上皮が減少し、線維芽細胞が増加する問題点が確認された。現在対処法を検討し、確実な口腔粘膜上皮培養プロトコールを開発中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ウサギ飼育施設の選定と、動物実験計画の策定・承認に時間を要した。当初モデル動物としてビーグル犬、ウサギを検討し、双方で準備を行った。本学の動物飼育施設状況を鑑み、ウサギでの実験実施がもっとも効率よく行えることとなったため、現在ウサギをモデル動物として実験を進捗している。その後の組織採取、自家由来細胞の分離培養、専用鋳型の埋入は概ね問題なく行えており、hybrid-biotubeの作成に進むことが可能となったと考えている。 口腔粘膜上皮プロトコールについては線維芽細胞のコンタミネーションが問題となっているが、文献上培養液を低Ca濃度のものに変更することで対応できる可能性が指摘されており、施行予定である。 以上より本研究課題は当初の遅れにも関わらず概ね順調に進展していると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
1. 現在培養中の自家ウサギ軟骨細胞を材料とし、CAT技術で軟骨輪を作成する。 2. 複数の軟骨輪を専用器材に組み込んで、New Zealand rabbit背部皮下に4週間埋め込みhybrid-biotubeを作成する 。 3. Hybrid-biotubeの組織評価を行う。 4. 作成されたHybrid-biotubeを頚部筋肉内に移植し、同所移植前血管形成を行う。組織を評価しながら、血管形成の期間を最適化する。 5. 血管茎つきhybrid-biotubeの内腔に口腔粘膜上皮を貼付した上で、気管同所性移植を行う。 6. 以上の結果を統合して、臨床応用に向けた手術手技やグラフト作成の条件を確立する。
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