2022 Fiscal Year Annual Research Report
腸内細菌叢制御による敗血症の代謝プロファイル再建戦略
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21H03033
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
伊藤 隆史 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 教授 (20381171)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 征郎 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 特任教授 (20082282)
垣花 泰之 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (20264426)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 敗血症 / 腸内細菌 / メタボローム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、敗血症-腸内細菌叢の攪乱-ナイアシン産生障害を基軸とした敗血症の新規病態生理を実証するとともに、それをもとにした新規治療戦略の構築を目指す。2022年度は、(1) 敗血症マウスモデルでの in vivo の解析、(2) 臨床検体を用いた解析、を進めることができた。(3) 培養細胞を用いた in vitro の解析、および (4) 敗血症マウスモデルでの治療介入研究については、2022年度に実施環境を整えられたので、2023年度に進めていく。 (1) 敗血症モデルマウスでの検討:敗血症モデルマウスを用いて、消化管内容物、各臓器、血液をサンプリングした。消化管内容物のメタゲノム解析を実施し、敗血症によって増加している遺伝子群、減少している遺伝子群をリストアップすることができた。2023年度は敗血症モデルマウスに対する治療介入によって、代謝プロファイルや生存率が改善しうるのか検討していく。 (2) 臨床検体を用いた解析:敗血症患者の血清中のナイアシン代謝産物の濃度を測定した。重症度や生命予後と強く相関するものではなかったが、2023年度は培養血管内皮細胞に敗血症患者血清を添加した際の変化を検討していく。具体的には、細胞の生存率やミトコンドリア機能に影響するか、ナイアシン代謝産物を補充することで改善されるか、といったことを検討していく。 (3) 培養細胞を用いた in vitro の解析:2022年度中に概ね研究実施環境を整えることができたため、2023年度に前述の培養血管内皮細胞を用いた in vitro の解析を本格的に進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画を概ね遂行できている。研究結果については当初の予想と異なる部分もあるが、それをふまえて研究計画を柔軟に軌道修正できている。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、(1) 敗血症患者血清と培養血管内皮細胞を用いた in vitro の解析、および (2) 敗血症マウスモデルでの治療介入研究を進めていく。 (1) 敗血症患者血清と培養血管内皮細胞を用いた in vitro の解析 培養血管内皮細胞に敗血症患者血清を添加した際、細胞の生存率やミトコンドリア機能に影響するか、その影響は敗血症患者血清のナイアシン代謝産物濃度と関連するか、ナイアシン代謝産物を補充することで改善されるか、について検討を重ねていく。 (2) 敗血症モデルマウスでの検討 敗血症モデルマウスにナイアシン代謝産物を補充することで代謝プロファイルや生存率が改善しうるのか、希少糖を摂取させてナイアシン代謝を増強することで代謝プロファイルや生存率が改善しうるのか、検討を重ねていく。
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Research Products
(7 results)