2021 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of glioma immune microenvironment heterogeneity based on immunogenomics by liquid biopsy
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21H03044
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
溝口 昌弘 九州大学, 医学研究院, 准教授 (50380621)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 隆弘 九州大学, 大学病院, 講師 (70546465)
秦 暢宏 九州大学, 大学病院, 講師 (10596034)
空閑 太亮 九州大学, 大学病院, 助教 (40759932)
三月田 祐平 九州大学, 大学病院, 助教 (00848640)
扇谷 昌宏 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (60636455)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | グリオーマ / リキッドバイオプシー / エクソソーム / 免疫微小環境 / 直接誘導ミクログリア様細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
WHO2021分子診断アルゴリズムの確立: 1年間で47例のグリオーマ症例に対し摘出術をおこない、従来のHRM法に加えMLPA法による解析を検討した。統合診断の結果、Glioblastoma 17例、Astrocytoma IDH-mut 13例 、Oligodendroglioma 1p19q codel 8例 、Diffuse midline glioma H3K27-altered 2例、その他7例となった。 MLPA法によりAstrocytoma IDH-mutにおいて CDKN2A/B欠失を確定し、2例をgrade4と診断した。さらに後方視的に360例に対しMLPA法による解析を検証し、WHO2021改訂に対応できる解析アルゴリズムを構築した。 iMG細胞誘導および腫瘍原発巣の微小免疫環境の評価: 11例のグリオーマ症例に対し、新たに末梢血よりiMG細胞を培養、誘導した。のべ33例の脳疾患患者(グリオーマ20例、その他13例)の病変周囲組織と同一患者の末梢血由来iMG細胞を解析した。我々が同定したiMG細胞におけるCD206発現の解析を継続、蓄積した。脳内ミクログリア、iMG細胞の貪食能を評価をし、グリオーマ8症例を含む脳外科疾患11例において脳内ミクログリアとiMG細胞の貪食能に正の相関を認めた。 脳腫瘍症例体液(血液・髄液)解析: 髄液を対象としたリキッドバイオプシーを23例のグリオーマ症例におこなった。IDH1、H3F3A、BRAF、pTERTについてDigital PCR解析を行った。2例でIDH 1 R132H mut、1例で pTERT C228T、1例で pTERT C250T、1例でH3K27M mutを正確に判定することができた。脳幹部の腫瘍2例のうち、1例にH3F3A遺伝子変異を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
WHO分類の2021年改訂により、グリオーマの統合診断に対応できる分子診断法を確立する必要があり、その検証に時間を要した。従来のHRM法からMLPA法に変更することでWHO2021に準じた分子診断が可能であることを確認し、分子診断アルゴリズムを構築した。確定診断をもとにLiquid biopsyによる診断の有用性を検討した。腰椎穿刺由来の髄液から抽出したDNAの解析により極少量のDNAからでもH3F3A K27M変異をはじめ、IDH1、BRAF、pTERT遺伝子変異のdigitalPCRによる検出に成功した。稀少なsubgroupではあるがDiffuse midline glioma(DMG), H3 K27-alteredの診断には、Digital PCRを使用した解析は特異度が高く、臨床上も非常に有用な解析法となった。cfDNAをターゲットにしたliquid biopsyは生検に比べ低侵襲であり、グリオーマの診断において将来重要な診断法になるものと考えている。 一方、免疫微小環境のモニタリングとして注目している脳内ミクログリア、iMG細胞に関しては、グリオーマ症例の蓄積を継続し、新たに貪食能に着目し、研究を展開している。現在、脳内ミクログリア、iMG細胞の貪食能に相関が示唆される結果が得られており、脳内の免疫微小環境を反映する有用な血中バイオマーカーとして期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
WHO2021分類に対応できる分子診断アルゴリズムに基づき、グリオーマの統合診断を継続する。症例のさらなる蓄積を目的に九州大学関連施設におけるグリオーマ症例に対しても同様に解析ができる研究体制構築に努める。Liquid biopsyに関しては安全性が確保できる症例、手術困難な症例を対象に、継続していく。DMG症例に対しては臨床上も有用な解析方法であり、今後の臨床応用を目指す。髄液サンプルに関しては、これまでの分子診断にあわせサイトカイン、ケモカインなど免疫関連因子の評価を追加することで脳内の免疫微小環境の統合的評価へと繋げる。同一症例より末梢血液よりiMG細胞を誘導し、貪食能評価により免疫微小環境を総合的に評価検討する。治療経過でのサンプリングも行い、治療効果判定、効果予測に有用なマーカーの探索をおこなう。 さらに悪性グリオーマの摘出サンプルより幹細胞培養、動物モデル作成に着手する。培養液、動物モデル体液に分泌された核酸、エクソソーム に関する研究を展開する。その他の細胞株でも同様の実験系を試みる。動物モデルにおける原発巣と体液の解析により腫瘍の不均一性に関して解析を進める。最終的にはエクソソームを用いた、診断、治療法の開発へと繋げる。
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Research Products
(14 results)
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[Journal Article] Changes in the Relapse Pattern and Prognosis of Glioblastoma After Approval of First-Line Bevacizumab: A Single-Center Retrospective Study2022
Author(s)
Funakoshi Y, Takigawa K, Hata N, Kuga D, Hatae R, Sangatsuda Y, Fujioka Y, Otsuji R, Sako A, Yoshitake T, Togao O, Hiwatashi A, Iwaki T, Mizoguchi M, Yoshimoto K.
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Journal Title
World Neurosurg
Volume: 159
Pages: e479-e487
DOI
Peer Reviewed
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