2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of treatments for recurrent brain tumors
Project/Area Number |
21H03047
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
淺井 昭雄 関西医科大学, 医学部, 教授 (50231858)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 美樹夫 関西医科大学, 医学部, 講師 (10368251)
岩田 亮一 関西医科大学, 医学部, 非常勤講師 (60580446)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 脳腫瘍 / がん幹細胞 / 再発 / 転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
がんの再発や転移の原因として、がん幹細胞の存在が注目されている。がん幹細胞は、自己複製能と通常のがん細胞への分化能を備え、治療に抵抗性を示す。我々は、転移性脳腫瘍の病巣からがん幹細胞を樹立し、新しい分子標的(ムコリピン)を発見した。そしてムコリピンの作動薬から、がん幹細胞を死滅させることができる薬剤を同定した。 正常細胞において、ムコリピンは細胞内のエンドソームに分布する。しかし、我々は電気生理学および免疫組織学的手法を用いて、ムコリピンが、がん幹細胞の細胞膜に局在することを見いだした。細胞膜に分布するムコリピンは、Naイオンを細胞内に流入させる。Naイオンは水の浸透流を引き起こすため、細胞容積が増加する。細胞容積は細胞の増殖や遊走に関わるため、ムコリピンの特異な分布は、がん幹細胞の機能に重要な意義をもつと考えられる。一方で、細胞外からムコリピンに作用する薬剤は、がん幹細胞を特異的に処置できると考えられる。また、ムコリピンはがん幹細胞に特異的なバイオマーカーになりうる。 以上の成果を踏まえて本研究は、ムコリピンをコードするMCOLNについて、RNAシーケンス解析で、遺伝子発現量、融合遺伝子、スプライシングバリアント、および点変異を調べた。肺癌脳転移の4患者由来のがん幹細胞株における、分子の発現量は、MCOLN1 (17 TPM) > MCOLN3 (16 TPM) > MCOLN2 (3 TPM)の順位であった。また、4患者に共通する変異は検出されなかった。野生型のムコリピンが転移性脳腫瘍の病態発生に関与する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
転移性脳腫瘍のがん幹細胞におけるムコリピンの分子基盤を明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
免疫組織化学法を用いて、転移性脳腫瘍の病理組織標本におけるムコリピンタンパク質の発現量と分布を調べる。特に、既存のがん幹細胞マーカーとの共発現に注目する。
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Research Products
(67 results)
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[Journal Article] Randomized phase III study of high-dose methotrexate and whole-brain radiotherapy with/without temozolomide for newly diagnosed primary CNS lymphoma: JCOG1114C2023
Author(s)
Mishima K,Nishikawa R,Narita Y,Mizusawa J,Sumi M,Koga T,Sasaki N,Kinoshita M,Nagane M,Arakawa Y,Yoshimoto K,Shibahara I,Shinojima N,Asano K,Tsurubuchi T,Sasaki H,Asai A,Sasayama T,Momii Y,Sasaki A,Nakamura S,Kojima M,Tamaru J,Tsuchiya K,Gomyo M,Abe K,Natsumeda M,Yamasaki F,Katayama H,Fukuda H
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Journal Title
Neuro-Oncology
Volume: 25
Pages: 687~698
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] 髄液漏出症に伴う二次性慢性硬膜下血腫に対する頭蓋内圧モニター留置の有用性―緊急硬膜外自家血パッチ療法にて救命し得た1例―2022
Author(s)
亀井孝昌, 吉村晋一, 上野勝也, 岩村晴香, 李強, 内藤信晶, 山村奈津美, 宮田真友子, 李一, 武田純一, 羽柴哲夫, 埜中正博, 淺井昭雄
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Journal Title
Neurosurgical Emergency
Volume: 27(2)
Pages: 159-164
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] 当院における特定看護師養成と脳神経外科救急領域での貢献2023
Author(s)
羽柴哲夫, 濱本貴大, 川野晴香, 李強, 宮田真友子, 李一, 亀井孝昌, 武田純一, 吉村晋一, 天神博志, 埜中正博, 淺井昭雄
Organizer
第28回日本脳神経外科救急学会
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[Presentation] INPHの手術前後にDaT Scanを施行した症例の検討2022
Author(s)
羽柴哲夫, 岩村晴香, 李強, 宮田真友子, 李一, 亀井孝昌, 武田純一, 吉村晋一, 天神博志, 埜中正博, 淺井昭雄
Organizer
第41回日本認知症学会学術集会
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[Presentation] 血液内科を主導とした PCNSL 治療へのシフトとその初期治療成績2022
Author(s)
羽柴哲夫, 岩村晴香, 李強, 宮田真友子, 李一, 亀井孝昌, 武田純一, 吉村晋一, 天神博志, 埜中正博, 淺井昭雄
Organizer
第40回日本脳腫瘍学会学術集会
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[Presentation] 膠芽腫における重複癌の検討2022
Author(s)
川野晴香, 濵田諒 ,内藤信晶, 李強, 宮田真友子, 李一, 磯﨑春奈, 小森裕美子, 亀井孝昌, 武田純一, 羽柴哲夫, 吉村晋一, 埜中正博, 天神博志, 淺井昭雄
Organizer
日本脳神経外科学会第81回学術総会
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[Presentation] 脊髄圧迫症候群の現状と外科治療戦略2022
Author(s)
岩瀬正顕, 川上勝弘, 須山武裕, 島田志行, 濱本貴大, 武田純一, 李一, 李強, 山村奈津美, 川野晴香, 淺井昭雄
Organizer
日本脳神経外科学会第81回学術総会
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[Presentation] 結核腫の一手術例2022
Author(s)
羽柴哲夫, 濵田諒, 川野晴香, 内藤信晶, 李強, 宮田真友子, 李一, 亀井孝昌, 武田純一, 吉村晋一, 天神博志, 埜中正博, 淺井昭雄
Organizer
第82回日本脳神経外科学会近畿支部学術集会
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[Presentation] 中脳水道に再発した髄芽腫に対し内視鏡下腫瘍摘出術を実施した1例2022
Author(s)
上野勝也, 埜中正博, 濵田諒, 川野晴香, 内藤信晶, 李強, 宮田真友子, 李一, 武田純一, 羽柴哲夫, 吉村晋一, 天神博志, 淺井昭雄
Organizer
第82回日本脳神経外科学会近畿支部学術集会
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[Presentation] 急性水頭症を来した巨大プロラクチン産生下垂体腺種に対し経脳室内視鏡下腫瘍摘出術を施行した1例2022
Author(s)
川野晴香, 濵田諒, 内藤信晶, 李強, 宮田真友子, 李一, 磯﨑春奈, 小森裕美子, 亀井孝昌, 武田純一, 羽柴哲夫, 吉村晋一, 埜中正博, 天神博志, 淺井昭雄
Organizer
第82回日本脳神経外科学会近畿支部学術集会
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