2022 Fiscal Year Annual Research Report
精巣特異的な代謝状態の全貌解明に基づく男性不妊症の新規治療基盤の構築
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21H03067
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
福原 慎一郎 大阪大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (20609870)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹澤 健太郎 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (90648015)
木内 寛 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (70403053)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 男性不妊症 / 精巣 |
Outline of Annual Research Achievements |
精巣内クレアチンの代謝に注目し、クレアチン合成酵素およびクレアチン取り込み酵素のノックアウトマウスを作成し、精巣内の代謝状態と造精機能の評価について検討を行った。精巣内のクレアチンの代謝状態は精巣内の造精機能と関連していることを見出し、現在さらに検討を進めているところである。全身のノックアウトではなく、精巣内のセルトリ細胞のみクレアチン合成酵素やクレアチン取り込み酵素をノックアウトしたマウスの作成も進めており、作成でき次第、より限定的にクレアチン代謝状態と精巣内環境の関連について検討を行っていく予定である。 精巣内代謝状態の総合評価として、加齢における精巣内の環境変化と造精機能の関連についても検討を進めている。加齢に伴う造精機能低下とそこに関連する各因子、特に代謝状態の変化についての解析を進めている。
精巣内においては血液精巣関門を形成するセルトリ細胞間のtight junction形成やセルトリ細胞と各段階の精細胞との細胞接着、細胞間相互作用に大きく関わっていることが想定されるため、クレアチンの代謝状態とセルトリ細胞間のtight junctionとの関連について検討を行った。精巣内では筋肉内と違い、通常クレアチンは精巣内部で産生されるが、精巣内部で産生されるクレアチンだけでなく、外部からのクレアチンが造精機能について及ぼす影響について検討を開始している。精巣内代謝の変化に伴う遺伝子変化について網羅的な解析についても開始している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
1.精子形成過程における代謝状態の評価 精子成熟に遺伝子をノックアウトすることにより、精子形成がある段階で止まったマウスや不動精子のみが含まれるマウスを作成することができる。精子形成段階をそろえたマウスを用いることにより、精巣内の造精機能状態毎の精巣内代謝代謝の状態を明らかにすることができる。これまで代謝には注目されてこなかった精巣内遺伝子群においても代謝に係る因子が見いだされることが期待され、新たな検査法としての基盤構築になることが想定される。引き続きこの検討を進めていく。 2.精巣内代謝の病態意義の解明 精巣内においては血液精巣関門を形成するセルトリ細胞間のtight junction形成やセルトリ細胞と各段階の精細胞との細胞接着、細胞間相互作用に大きく関わっていることが想定される。電子顕微鏡での形態観察、connexin43、ZO-1、Vimentin、Claudin11、Claudin5をはじめとした血液精巣関門を形成する因子の検討を行う。血液精巣関門が破綻していた場合には免疫細胞の精細管内への侵入やそれにともなう精細胞の変化などについても検討を行う。セルトリ細胞株を用いてin vivoでの検討と同様クレアチン産生酵素のノックダウンおよびノックインを行い、セルトリ細胞間接着因子の検討を行う。このモデルを用いてRNAseqを行い、細胞内クレアチンの増減に伴う遺伝子変化について網羅的に検討を行う。外部からのクレアチンの影響についても検討を行う。精細胞との共培養を用いることによりセルトリ細胞と精細胞間のcell-cell interactionについても検討を行っていく予定である。
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