2021 Fiscal Year Annual Research Report
難治性卵巣がんにおける細胞外小胞機能解析と臨床応用基盤創生
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21H03075
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
横井 暁 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (30737135)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶山 広明 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (00345886)
山本 雄介 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, ユニット長 (60768117)
吉田 康将 名古屋大学, 医学系研究科, 特任助教 (90885550)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 卵巣がん / がん微小環境 / エクソソーム / マイクロRNA / 細胞外小胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、卵巣がんにおけるエクソソームを始めとした細胞外小胞(Extracellular Vesicle: EV)を対象とし、EVが有する未だ明らかにされていない腫瘍生物学的意義を明らかにし、臨床応用へ向けた基盤となる知見を得ることを目的とする。あらゆる生細胞が恒常的に放出するEVは、細胞間情報伝達手段として注目されている。今後臨床応用へ向けたトランスレーショナル研究がさらに加速することが予想される一方で、EV研究はその定義や取扱いが未だ議論の的になるほど発展途上である。未だ臨床的問題点が多く残る難治性卵巣がんに於けるEVの機能解明は極めて重要と考えられる。本研究では、①卵巣がん悪性化に関わるEVの機能解析 ②個別化医療を実現するEVバイオマーカーの創出 ③EVによる難治進行性卵巣がんの新規治療開発 の、3点を軸に研究を展開し、卵巣がん患者予後の改善に繋がる成果を得ることを目的として展開する。①に関して、卵巣明細胞腺癌における薬剤耐性機構において、ChrXq27.3マイクロRNAクラスターが白金製剤耐性化に寄与することを発表した(Yoshida K, Yokoi A, Kajiyama H et al. Oncogene 2021)。また、VEGF含有エクソソームが卵巣がん患者におけるベバシズマブ体制に関与することを発表した(Ma S, Yokoi A, Sood AK et al., Cell reports 2021)。②に関して、免疫ワクチン療法の効果予測として血中のマイクロRNAプロファイルが有用であることを示した(Ukai M, Yokoi A, Kajiyama H et al. Cancers 2021)。③に関して、脂肪組織中に存在する間葉系幹細胞が放出するエクソソームが、がん細胞の増殖を抑制することを示し、日本癌学会学術集会にて報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3つの研究項目を提案したが、それぞれ順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究期間3年の間に6つのマイルストーンを設定している。それぞれ進捗の程度は違うにせよおおむね問題なく進行しており、引き続き期間内の目的達成を目指す。
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Research Products
(15 results)