2022 Fiscal Year Annual Research Report
Common molecular mechanisms underlying age- and autoimmune-related disturbance of salivary secretion
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21H03115
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Research Institution | National Center for Geriatrics and Gerontology |
Principal Investigator |
四釜 洋介 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 研究所 口腔疾患研究部, 副部長 (10588908)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石丸 直澄 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 教授 (60314879)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 口腔乾燥症 / シェーグレン症候群 / 細胞老化 / 個体老化 / 慢性炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、加齢及び自己免疫疾患に起因する唾液分泌障害の病態形成に対する唾液腺実質細胞の老化及び免疫老化の関与を明らかにすることである。加齢に伴う唾液分泌障害は、唾液腺におけるリンパ球浸潤および線維化による組織破壊が原因の1つと考えられおり、この病理学的所見は自己免疫疾患に起因する唾液分泌障害と共通している。今年度は糖尿病治療薬であるメトホルミンが唾液腺やその分泌機能に及ぼす影響を解析した。メトホルミンは、アンチエイジング効果、抗炎症作用等、多面的作用を持つことが近年報告されている。その結果、加齢に伴う唾液腺でのリンパ球集積はメトホルミン投与により減少することを組織学的解析により明らかにした。腺房細胞、導管上皮細胞での老化マーカー(Beta Galactosidase)発現は、メトホルミン投与により顕著に減少した。さらにメトホルミン長期投与は非投与マウスと比較し、ピロカルピンによる刺激唾液分泌量が増加した。シェーグレン症候群モデルマウスを用いた実験からも、メトホルミンによる同様の効果が報告されているため、加齢および自己免疫疾患に起因する唾液腺障害に対するメトホルミンの効果が期待できると考えられる。唾液腺の線維化についてもI型コラーゲン染色により評価を試みたが、唾液腺をサンプリングした時点ではほとんど線維化は確認されなかったため、より加齢したマウスを用いる等の検討が必要であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
人材確保が思うように進まず、計画している実験が行えていないのが現状である。試薬や研究設備等は整っているため、研究代表者が着実に実験を行いつつ、人材確保に努めていきたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
メトホルミンの投与量、投与開始時期を検討していきたいと考えている。これまでの実験結果から、メトホルミンにより加齢による唾液腺リンパ球浸潤が抑制され、唾液分泌量にも影響を及ぼす事を明らかにしている。今後は、リンパ球浸潤が確認される12か月齢程度からメトホルミン投与を開始し、免疫細胞集積、線維化、唾液分泌能に及ぼす影響を検討していきたい。新規筋線維芽細胞マーカーも近年報告されているため、今後当該研究でも検討したいと考えている。In vivoにおけるメトホルミンの唾液腺上皮細胞に及ぼす影響を解析するため、上皮細胞を単離しDNAマイクロアレイ法によりその遺伝子発現も解析する予定である。
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Research Products
(5 results)