2021 Fiscal Year Annual Research Report
Building the foundations for artificial intelligence providing treatment strategies of hemiparetic gait
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21H03311
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
長谷 公隆 関西医科大学, 医学部, 教授 (80198704)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 公彦 関西医科大学, リハビリテーション学部, 助教 (10890890)
脇田 正徳 関西医科大学, リハビリテーション学部, 助教 (70890888)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 片麻痺歩行 / 歩行分析 / 人工知能 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、片麻痺歩行の活動指標である歩行速度・持久力・バランス能力の回復に寄与する歩行関連指標を、定量的歩行分析データの中から抽出する人工知能システムを開発し、病態に応じた運動学的治療指針を提示する学術的基盤を形成することである。片麻痺歩行の異常パターンを健常歩行との比較において捉えるために、歩行速度については、すでに取得している107名の3次元歩行分析データに加えて、72名の健常高齢者データを追加した。さらにこの72名については、6分間歩行及び地域社会での生活に必要なバランス機能を反映するCommunity Balance and Mobility Scale(以下、CBMS)を計測してデータベース化した。 片麻痺歩行速度に関しては、3次元歩行分析データとともに54名のデータを収集した。そこで中間解析として、健常者で形成するマハラノビス空間での距離が歩行速度に相関する歩行関連指標の組み合わせを、マルコフ連鎖モンテカルロ法によってサンプリングし、得られた特徴量のクラスター分析によって異常パターンの類型化を試みている(令和4年度日本リハビリテーション医学会学術集会にて発表予定)。加えて、6分間歩行及びCBMSについて片麻痺患者17名のデータを収集した。今後も研究計画に従って50名毎にクラスター分析の結果を確認し、治療アルゴリズムの構築に必要な歩行関連指標に関して考察を加える。また、マーカーを貼付しなくても3次元歩行分析データを得ることができるマーカーレス歩行分析装置を、回復期病床を有する関西医科大学くずは病院に設置し、これを試用しながら、マーカー処理を要する3次元歩行分析データで抽出された特徴量の計測における臨床的有用性を検証する体制を整えた。運動学的指標に基づく個別的な治療方略を提示するAI開発は、特に専門家の少ない介護場面などでは有意義であり、その基盤形成を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究を進めるために必要なマーカーレス歩行分析装置などの設備は完了した。新型コロナ感染の感染予防の観点から、健常高齢者のデータ収集には3回目のワクチン接種を受けている被験者を対象としたため、研究開始時期の調整を要したが、72名(男性50名、女性27名/平均年齢72.0歳)の3次元歩行分析データ(研究計画では100名)を収集することができた。片麻痺患者についても同様であるが、54名のデータを用いた第1回目の中間解析に取り掛かっており、令和4年度上半期までに目標としている100名のデータベース化を目指す。
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Strategy for Future Research Activity |
マハラノビスの基本空間を形成する3次元動作分析データの収集は、片麻痺患者を想定し、40-50歳の被験者について20名程度計測する。片麻痺歩行のデータ収集を含めて、理学療法士を専属で雇用し、計測にあたる。これらで得られたデータを含め、計測した各課題での3次元動作分析データのマーカー付けに要する仕事量が膨大であることから、本学リハビリテーション学部から複数名の研究協力者を募り、データ処理過程の円滑化を図る。
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Research Products
(5 results)