2022 Fiscal Year Annual Research Report
大気バイオエアロゾルの粒径別特性と健康影響評価に向けた基盤研究
Project/Area Number |
21H03611
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
田中 大祐 富山大学, 学術研究部理学系, 教授 (40360804)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤吉 奏 広島大学, IDEC国際連携機構:PHIS, 助教 (20805808)
丸山 史人 広島大学, IDEC国際連携機構:PHIS, 教授 (30423122)
加賀谷 重浩 富山大学, 学術研究部工学系, 教授 (50272894)
木全 恵子 富山県衛生研究所, 細菌部, 副主幹研究員 (50360805)
金谷 潤一 富山県衛生研究所, 細菌部, 主任研究員 (80463131)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | バイオエアロゾル / モニタリング / 粒径 / 微生物 / 動態 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では大気中のバイオエアロゾルに含まれる細菌や真菌などの微生物について,粒径や化学成分との関係,季節変化などに着目して把握するとともに,ヒトの健康などに影響を及ぼす可能性を探ることを目的としている。富山大学理学部屋上で,全国でのPM2.5の成分分析調査時期(4季節:5月,7月,10月, 1月)にPM2.5サンプリング装置で粗大粒子(SPM-PM2.5)と微小粒子(PM2.5)に分けて捕集した。それらの試料について,真核生物の18S rRNA遺伝子をPCRで増幅した後,高速シークエンサー(Illumina MiSeq)により網羅的に塩基配列を決定することでメタゲノム解析を行った。その結果、真核生物群集は真菌類(Basidiomycota門,Ascomycota門), 緑色植物(Streptophyta門),原生生物(Apicomplexa門)が主要であり、優占する真核生物は季節や粒径により異なることが分かった。一方,富山大学理学部屋上で大気試料を濾過捕集し,Clostridium (クロストリジウム) 属の細菌の培養法での検出を行った。本菌は,土壌,水環境,哺乳類の下部消化管などの低酸素環境に広く分布する偏性嫌気性で,カタラーゼ陰性,オキシダーゼ陰性,芽胞(胞子)形成性のグラム陽性桿菌である。いくつかの種のClostridiumは,毒素産生し,ヒトに対して病原性を有する。本研究では,培養可能なClostridiumを24株単離できた。さらに、16S rRNA遺伝子塩基配列やゲノム配列の比較に基づく系統解析を行った結果、主要な菌種を把握できるとともに,それらの季節変化が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は,富山大学理学部屋上にて捕集した大気試料について,リアルタイムPCR法を用いた全真菌の定量、高速シークエンサーを用いた真核生物群集構造解析を行った。また,濾過捕集した大気試料からクロストリジウム属菌を培養法にて単離し,同定するとともに,ドラフトゲノム配列の解析を進め,大気バイオエアロゾルシンポジウムで発表した。さらに,細菌群集構造と化学組成の関係について発表できるよう,データを纏めてきている。
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Strategy for Future Research Activity |
PM2.5サンプリング装置で捕集した大気試料について,得られた細菌群集構造や真核生物群集構造のデータについて情報解析を進める。また,大気試料から単離したクロストリジウム属菌について,ドラフトゲノムの解析をさらに進める。細菌群集構造と化学組成の関係については論文で発表することを計画している。
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Research Products
(6 results)