2023 Fiscal Year Annual Research Report
先端的分子生物学的手法による日焼け止め剤の造礁性サンゴの白化に及ぼす影響評価
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21H03619
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
竹内 一郎 愛媛大学, 農学研究科, 教授 (30212020)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
治多 伸介 愛媛大学, 農学研究科, 教授 (60218659)
石橋 弘志 愛媛大学, 農学研究科, 准教授 (90403857)
田代 豊 名桜大学, 国際学部, 教授 (20441959)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | サンゴ / 日焼け止め剤 / 白化 / 毒性実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、主に、下記の1)及び2)の研究を実施した。 1) 沖縄県等の日本南岸のサンゴ礁及び隣接域における紫外線吸収剤等の環境中濃度の測定 2023年8月に沖縄県中部から南部の沿岸域の各地から海水試料を採水し、愛媛大学に持ち帰った。液体クロマトグラフタンデム型質量分析計(LCーMS/MS)等を用いて、持ち帰った海水試料中の紫外線吸収剤のオキシベンゾン等の濃度測定を行った。その結果、沖縄県沿岸域のオキシベンゾン濃度は、いずれの地点も0.5 μg/L以下であった。 2) 酸化チタンに曝露したミドリイシ属サンゴ主要種の網羅的遺伝子発現解析 異なる粒子サイズ(ナノ及びマイクロレベル)の酸化チタン(10 mg/L)に沖縄県北部の沿岸域から採捕したコユビミドリイシAcropora digitiferaを1週間曝露した。その間のコユビミドリイシの体色等の変動を解析したが、顕著な変化は認められなかった。また、24時間曝露後のサンゴを対象に、次世代シーケンサーによるRNAシーケンスを行い、トランスクリプトーム解析を行った。その結果、両粒子の酸化チタン曝露により、コユビミドリイシの遺伝子(約23,700)のうち、発現変動遺伝子(DEGs; 発現増加及び発現抑制遺伝子)は100-300程度に及ぶことや、様々な遺伝子オントロジーやパスウェイに影響することが確認された。一方、コユビミドリイシの共生藻では、Cladocopium sp.(クレードC)由来のリード数が多く取得されたが、両粒子の酸化チタン曝露によるDEGsは10未満であった。以上により、酸化チタン曝露によるコユビミドリイシとその共生藻におけるDEGsや作用機序の一端が明らかになった。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)