2023 Fiscal Year Annual Research Report
Empirical Studies on Inclusiveness and Exclusiveness of Sharing of Technologies in East African Small and Medium-sized Manufacturers
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21H03706
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高橋 基樹 京都大学, アフリカ地域研究資料センター, 教授 (30273808)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井手上 和代 明治学院大学, 国際学部, 講師 (00838435)
町北 朋洋 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 准教授 (70377042)
福西 隆弘 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 開発研究センター, 主任調査研究員 (80450526)
松原 加奈 東京理科大学, 経営学部国際デザイン経営学科, 助教 (80962547)
山田 肖子 名古屋大学, 国際開発研究科, 教授 (90377143)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ものづくり集積地 / 革新的な技術とノウハウ / 革新技術共有の開放性 / 知的財産権 / 資本主義的な企業発展 |
Outline of Annual Research Achievements |
ケニアの革靴産業について高橋基樹(研究代表者)が、同じく金属加工業について井手上和代が、またエチオピアの縫製産業について山田肖子が、同じく革靴産業については松原加奈が、それぞれ実証調査に赴いた。 各国において、新しい革新的な技術や知識の業者間の共有が起こりやすいと考えられる、同業種の集積地を対象として調査を行った。例えば、ケニア・ナイロビのソファ製造に関して述べると、まずナイロビ市内には、ソファ製造の同業者の集積地が主に四つある。本研究では、そのうち最も低所得の地区に所在する集積地Hと最も高所得の地区の集積地Nとを選定し、集積地の特徴の違いによって、技術・知識の共有の開放性/閉鎖性が影響を受けるのかを業者への聞き取りを主な手段として調査した。 Hでは、技術・知識が一業者によって新たに獲得されたとしても、業者同士が近接しており、また労働者が業者ごとの繁忙に応じて業者間をしきりに移動するという状況があるために、最初の業者によって独占し続けることができない。加えてHにおいては、製品が低所得層向けであり、作業場が野外で手狭なせいもあり、製品の規模やデザインの多様性は抑制されており、製品の仕様にかなりの標準化が見られる。むしろHの業者のなかには、業者間・労働者間での革新的な技術・知識の開放的な共有は、連帯感や利他心によると積極的に肯定する傾向がある。それは非資本主義的傾向とも言える。 Nでは、Hに比べて製品の規模やデザインはより多様である。顧客の平均所得レベルが高いため、また顧客の求めに応じて、柔軟に製品のありようが決められている。Nにおける多数派の民族に属する業者の証言では、過去にはHと同様の技術・知識の共有が見られたが、最近では少数派の民族出身の業者が自ら開発した技術・知識の共有を防ごうとする資本主義的な傾向があることが観測できた。このような傾向は今後は拡大していく可能性が高い。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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