2021 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation and modeling of infant learning mechanisms based on action information of others
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21H03783
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
平井 真洋 名古屋大学, 情報学研究科, 准教授 (60422375)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鹿子木 康弘 大阪大学, 大学院人間科学研究科, 准教授 (30742217)
堀井 隆斗 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 講師 (60809333)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 発達 / 行為知覚 / 学習 / 乳児 / 脳波 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々の社会・文化の形成には世代間の知識継承が必須である.しかしながら,言語能力を持たない前言語期の乳児は「どのように」知識・規範を学ぶのか?近年,「アイコンタクト」や「乳児向け発話」といった養育者の「顕示的な信号」が乳児の学習に重要な役割を果たすことが理論化されている.ところが,日常生活では,他者の身体の動きに基づくコミュニケーションが普遍的であるにもかかわらず,他者の動きが乳児の学習に果たす役割は十分明らかにされていない.本研究は他者の動きの「効率性」と「指向性」に基づく乳児の学習メカニズムを統制された眼球運動・脳波計測実験により解明する.これにより,他者の動きによる社会的学習メカニズムを解明することを目指す.特に今年度は,生後4ヶ月・9ヶ月児を対象にしたアイトラッカー調査を進めた.一連の実験の結果,4ヶ月児は乳児に向けられた非効率な物体提示動作を効率的な動作に比して注視し,9ヶ月児は乳児に向けられた非効率な物体提示動作の物体を学習する可能性を見出した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに,生後4ヶ月児,10か月児合計192名を対象としたアイトラッカー研究により,生後4ヶ月児は,乳児に向けられた非効率な物体提示動作を選好するが,乳児に向けられていない非効率な物体提示動作には選好を示さないことを見出した.更に9ヶ月児では,乳児に向けて提示された非効率な物体提示動作から物体を学習することが示唆される一方,乳児に向けられない非効率な物体動作からは物体の学習が促進されないことが示唆された.これらの一連の成果はDevelopmental Science誌に採択された.また,これらの知見を発展させ,同一動作であるが,目的志向動作と物体提示動作はどのように処理が異なるかについても予備的検討を行った.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画どおり,これまでの研究において乳児に向けられた非効率な動作の処理過程についてアイトラッカーを用いた研究を進めてきた.今後は,その神経基盤について明らかにするため,乳児を対象とした高密度脳波計測を実施する.特に,学習に関連した周波数帯域に着目し,乳児に向けられた非効率な物体提示動作によってどのような神経活動が観察されるかについて検討する予定である.
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Research Products
(6 results)