2021 Fiscal Year Annual Research Report
リンの物質循環からとらえる地域循環共生の統合的研究
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21H04381
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
野中 健一 立教大学, 文学部, 教授 (20241284)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
厚 香苗 大東文化大学, 文学部, 准教授 (40598182)
池口 明子 横浜国立大学, 教育学部, 准教授 (20387905)
石田 卓也 広島大学, 先進理工系科学研究科(総), 助教 (70759571)
岩井 将行 東京電機大学, 未来科学部, 教授 (30458971)
小野 映介 駒澤大学, 文学部, 教授 (90432228)
小坂 康之 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 准教授 (70444487)
崎田 誠志郎 国立民族学博物館, 人類文明誌研究部, 外来研究員 (10823411)
冨安 卓滋 鹿児島大学, 理工学域理学系, 教授 (60217552)
夏原 和美 東邦大学, 看護学部, 教授 (00345050)
橋本 操 岐阜大学, 教育学部, 准教授 (80813443)
Mangin Alexandre 立教大学, 外国語教育研究センター, 教育講師 (70465376)
村山 伸子 新潟県立大学, 人間生活学部, 教授 (80219948)
湯澤 規子 法政大学, 人間環境学部, 教授 (20409494)
吉澤 樹理 香川大学, 教育学部, 准教授 (20779855)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2026-03-31
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Keywords | 地域循環共生 / リン / 土地利用 / 生業 / 食生活 / ネイチャーポジティブ |
Outline of Annual Research Achievements |
土地環境への適応と持続性を考える上でリンの適切な循環が重要な課題となる。有効な形でリンを再利用する食料生産および排出・廃棄資源の活用と土地利用管理の方策をうちたて適切なリン循環を考慮して最適な社会循環構造をつくることが急務である。本研究では、地域循環共生システムを構築する上で、リンの循環に注目して食料生産・土地利用・食生活・排出の循環に注目して事例研究を実施し、人文社会・自然科学の融合による実証的な生態社会モデルを構築している。 本年度は、国内研究対象地に設定した岐阜県中津川市付知町で、生業・土地利用の調査を進め、リン肥料を多用する水田と灌漑用水路の空間的関係を明らかにした。これに基づき、一つの用水路水系で田畑への施肥と溶出リンを回収するための水田-用水路システムを活用した実験圃場作りを実施し、継続的な流量・溶存成分のサンプリング体制作りとセンシング装置を開発・設置して、データを連続的に集めて解析するモニタリング実証実験を進めた。また岐阜県恵那市串原では、伝統的な堆肥を利用する稲作が行われており、もう一つの調査対象地に選定し、土地利用、水利システム、集落下水処理についての予備調査を実施した。 海外調査地である南アフリカでは、伝統的畑作が行われているリンポポ州を選定し、比較対照地として商品作物を大規模に栽培する農場と、伝統的な小規模自給作物栽培を中心とするハマクヤ地域を事例として、地形・土地利用・農耕方法・生業活動について現地調査を実施した。また、本地域の歴史性に関しての考古学的観点からの土地の捉え方、貧弱な土地での耕作に関する土壌作りの技術を調査した。 鹿児島大学において国際研究ワークショップを1週間にわたって実施し、ラオス、南アフリカから研究協力者を招き、分析技術修得、これまでの研究成果と展望についてそれぞれ発表して議論を深め、現地エクスカーションを通じて視点の共有をはかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度は、新型コロナ感染症で現地調査ができなかったが、今年度は現地の協力を得ることができ当初の計画に概ね追いつき、実地の観測調査の準備ができた。国際ワークショップを開催して、現地研究協力者の分析技術修得と研究メンバーの研究情報の共有ができ、次年度以降の計画の実施に向けて検討することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度のはじめより、農業施業に合わせてデータサンプリングをはじめて継続的なデータ収集をする。国内では、土地条件の対照となる地域での調査の準備を進める。 海外調査では、当初の予定にしたがって具体的なデータ取得の現地調査を進める。
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