2021 Fiscal Year Annual Research Report
Realization of inclusive campus based on assessments of neurodiversity and FD/SD
Project/Area Number |
21H04410
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
竹田 一則 筑波大学, 人間系, 教授 (90261768)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮内 久絵 筑波大学, 人間系, 准教授 (40530986)
佐藤 克敏 京都教育大学, 教育学部, 教授 (20310360)
佐々木 銀河 筑波大学, 人間系, 准教授 (80768945)
田中 真理 九州大学, 基幹教育院, 教授 (70274412)
大村 美保 筑波大学, 人間系, 助教 (60641991)
石井 映美 早稲田大学, 保健センター, 教授(任期付) (30593008)
横田 晋務 九州大学, 基幹教育院, 准教授 (70734797)
藤原 あや 福岡教育大学, 障害学生支援センター, 講師 (10882417)
高橋 知音 信州大学, 学術研究院教育学系, 教授 (20291388)
岡崎 慎治 筑波大学, 人間系, 准教授 (40334023)
中野 泰伺 筑波大学, ヒューマンエンパワーメント推進局, 助教 (60869254)
岩田 淳子 成蹊大学, 文学部, 教授 (90384651)
村田 淳 京都大学, 学生総合支援機構, 准教授 (00742305)
舩越 高樹 独立行政法人国立高等専門学校機構(教育研究調査室), 本部, 特命准教授 (40792015)
有海 順子 山形大学, 障がい学生支援センター, 准教授 (50633921)
脇 貴典 筑波大学, ヒューマンエンパワーメント推進局, 助教 (60865799)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2025-03-31
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Keywords | ニューロダイバーシティ / アセスメント / FD/SD / インクルーシブキャンパス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的を達成するために、研究ⅠからⅤにわたる5つの研究班を構成し進めた。 研究Ⅰ:「NDの高等教育モデルに基づく教職員への多様性理解研修」では、大学等におけるND学生の支援と配慮に関する先行研究について、海外の文献を対象にシステマティックレビューを実施し、高等教育機関におけるND学生支援に関する知見をまとめた。そして、ND学生に対する合理的配慮の必要性や具体的な対応について学ぶためのFDSDに効果的な要素を検討した。 研究Ⅱ:「新しい学び方における学びのユニバーサルデザインの教員研修」では、授業における学びのユニバーサルデザイン化についてのチェックリストを作成するために、遠隔授業における障害学生のICT利用に関する調査を実施し、結果を分析した。 研究Ⅲ:「高度な支援ニーズに対応する新たな専門家育成」では、多様なND学生の支援ニーズに対応するために、高等教育機関の障害学生支援担当者を対象にND学生支援のコンピテンシーについてヒアリング調査を実施し、ND学生への直接支援や合理的配慮の調整、他機関や多職種との連携等、ND学生支援に必要なスキルについて検討した。 研究Ⅳ:「学生の多様性を査定する新専門家(アセッサー)の創出」では、ND学生にアセスメントした結果について、量的、質的データを収集し、自己変容プロセスについて調査を実施した。また、読み書き困難、テスト・アコモデーションのためのアセスメントのモデルについて、文献研究により最新の知見をまとめた。 研究Ⅴ:「大学等のアセスメントに基づくFD/SDプログラムの汎用化」では、FD/SDプログラムを多様な機関で展開する適合条件を検討するため、各大学等における組織アセスメントを実施するために、大学内の支援リソースやこれまでの支援の経緯等のヒアリング調査を行った。加えて、全国の高等教育機関の支援関係者向けのアンケート調査の準備を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度となる本年度は研究班をⅠからⅤに分け、各研究班の研究計画と役割分担を明確化した。そして、研究班の進捗確認と連携を促進することを目的に年2回、全体の研究ミーティングを実施、それぞれの班で核となる研究が進行している。R3年度は新型コロナウィルス感染症拡大による影響で協力機関の事情により、研究に不可欠なアンケート調査の実施が次年度に延期、当初計画の実施時期を変更せざるを得ないことが発生したが、それ以外の研究はおおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
広範にわたる本研究の目的を遂行するために、引き続き、本研究事業に関する研究分担者間で研究ミーティングを行う予定である。また、各研究班における今後の研究推進の方策は下記の通りである。 研究Ⅰ:大学等におけるND学生の支援と配慮に関する文献研究の結果から、支援のポイントを整理し、授業や研究活動などND学生の困難に関する教職員向けの研修教材を検討、作成する。 研究Ⅱ:学びのユニバーサルデザイン化についてのチェックリストの試案を用いて、授業を受講するND学生にとって学びやすい授業の実施方法に関する授業担当教員対象の調査を実施する。 研究Ⅲ:ND学生支援のコンピテンシーの調査結果を分析し、その結果から、ND学生が抱える多様な支援ニーズに対応するための専門家育成プログラムの内容について検討し、研修教材を作成する。 研究Ⅳ:「修学上の困りごとに関する質問紙」の妥当性を高めるための調査を実施する。また、アセスメント前後でND学生に及ぼす変化について探索的検討を行う。さらに、アセッサーに必要なスキル・コンピテンシー案を作成し、アセッサー養成のためのガイドライン骨子を作成する。 研究Ⅴ:FD/SDプログラムを多様な機関で展開するため、引き続き、全国の大学等への質問紙調査を実施し、ND学生への支援体制や支援内容、学内連携等による組織的取組について調査を実施し、実態把握を行う。そして、各大学の条件に合わせたFD/SD研修プログラムについて検討する。
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