2022 Fiscal Year Annual Research Report
A search for a new exotic hadron, Lambda(1665)
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21H04478
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
谷田 聖 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 先端基礎研究センター, 研究主幹 (00360587)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
保坂 淳 大阪大学, 核物理研究センター, 教授 (10259872)
橋本 直 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 先端基礎研究センター, 研究職 (20732952)
早川 修平 東北大学, 理学研究科, 助教 (30868261)
佐甲 博之 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 先端基礎研究センター, 研究主幹 (40282298)
市川 裕大 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 先端基礎研究センター, 研究職 (50756244)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2025-03-31
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Keywords | エキゾチックハドロン / ハドロン分光 |
Outline of Annual Research Achievements |
新しいエキゾチックハドロン候補であるΛ(1665)を探索する実験(J-PARC E72)に向けた準備を行った。まず、ターゲットの気密漏れの問題を解決し、E72実験で用いるターゲット本体、ターゲットホルダー、およびターゲット安全用防爆装置を製作した。これによりターゲットの製作はひとまず完了し、あとは実際にhypTPCに組み込んでのテストを残すのみとなった。また、ガス電子増幅装置(GEM)および読み出し回路の修理も完了した。 トリガーカウンターに関しては、K中間子ベトー用チェレンコフカウンターとビーム粒子弁別用アエロゲルチェレンコフカウンターを製作し、そのテストを東北大学電子光理学センターにて行った。その結果、2つとも最低限必要な性能を有していることがわかった。また、同テストの結果とシミュレーションをもとにチェレンコフ放射体と光検出器(MPPC)の配置の最適化を行い、少しでも薄いチェレンコフ放射体で十分な光量を得られるようにした。さらに、ビームラインに設置するタイミングカウンターを製作した。今後これらを実際の実験条件に近い環境でテストし、本番に向けてさらに改善してゆく。 一方、保坂はΛ(1665)も含めたストレンジネス・チャームを持つバリオンの一般的な理論的研究を進め、最近Belleで詳細な実験データが出されたΩ(2012)の解析に応用した。その結果、3クォーク状態とハドロン分子の混合状態としてΩ(2012)の質量、崩壊などの性質を説明することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和3年度のE42実験中に発覚したターゲットやhypTPCのガス電子増幅装置(GEM)などの問題の原因追及・修正を行ったため、遅れが生じていたが、現在ではその対応はほぼ終わり、当初予定に追いつきつつある。一方、トリガーカウンターに関しては製作は順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
上に述べた通り、ターゲットやhypTPCのガス電子増幅装置(GEM)などに生じた遅れも、現在では解消しつつある。一方、トリガーカウンター類の製作は順調に進んでおり、全体的には2024年度に割り当てが予想されているビームタイムに十分間に合うペースとなっている。今後もそのペースを保ち、ビームタイムに向けて最終準備を進める予定である。すなわち、ターゲットおよびターゲットホルダーを組み込んでの全体試験およびトリガーカウンターの性能試験を行って、前の実験が終わってビームラインが空き次第実験装置をインストールできる状態にする。
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Research Products
(11 results)