2021 Fiscal Year Annual Research Report
Understanding and realization of advanced prediction for solar explosions with the integrated model including from stellar convection zone to interplanetary space
Project/Area Number |
21H04492
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
草野 完也 名古屋大学, 宇宙地球環境研究所, 教授 (70183796)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 央明 京都大学, 理学研究科, 教授 (00311184)
堀田 英之 千葉大学, 大学院理学研究院, 准教授 (10767271)
鳥海 森 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 准教授 (30738290)
塩田 大幸 国立研究開発法人情報通信研究機構, 電磁波研究所電磁波伝搬研究センター, 主任研究員 (90462192)
|
Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2026-03-31
|
Keywords | 太陽 / フレア / CME / 太陽対流層 / ダイナモ / 宇宙天気 / シミュレーション / 予測 |
Outline of Annual Research Achievements |
太陽フレアやコロナ質量放出(CME)などの太陽面爆発現象は太陽内部(対流層)でのダイナモ過程で生成された磁束が太陽表面を貫いて黒点を形成した後、太陽大気中で不安定化する結果として発生する。さらに、太陽面爆発は地球の電磁気圏のみならず人工衛星や電力網など現代社会を支える基盤にも多大な影響を与える。しかし、太陽内部・太陽大気・惑星間空間の領域間では物理変数とスケールの著しい乖離があり、観測可能な情報にも大きな隔たりがあるため各領域の研究は分断されている。その為、太陽ダイナモと太陽フレアの物理的連関は未解明である。また、太陽表面で発生するフレアとその遥か上空におけるCMEの形成と運動の関係も十分に理解できていない。すなわち、太陽と太陽圏を包括したシステムにおける太陽面爆発現象の全体像を捉えることは未だできていない。このため、①太陽フレアの原因となる磁束は太陽内部(対流層)でどのように形成されるのか?②対流層における磁束形成から太陽表面での黒点の成長進化に至るどの段階でフレア発生は決定づけられているのか?③惑星間空間におけるCMEの性質は太陽フレア及びその原因となる太陽内部ダイナミクスとどのように関係しているのか?④太陽恒星フレアの一般的性質である規模と頻度のべき乗則の原因は何であるか?⑤何が太陽恒星フレアの最大エネルギーを決めるのか?発生可能な最大の太陽面爆発現象はどのようなものか?という学術的「問い」はいずれも未解決である。本研究ではこれらの問いを解決するため、研究代表者が世界に先駆けて実現した太陽フレア物理予測スキーム(κスキーム)を軸に、太陽対流層の対流・ダイナモシミュレーションモデル、太陽活動領域モデル、惑星間空間モデルなど我々が開発した先進モデル群を相互に連結すると共に、精密観測とモデルの比較実証を通して太陽・太陽圏を包括した爆発現象の全体像を初めて明らかにする。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は富岳による太陽対流層の超精密シミュレーションにより、これまで不可能であった太陽内部の差分回転構造を第一原理より再現した(Hotta & Kusano 2021)。この研究によりこれまで見出されていなかった小スケール磁場の角運動量輸送効果が太陽と恒星の自転に大きな影響を与えることが見出された。また、CMEに発展する噴出型フレアと発展しない非噴出型フレアの発生を事前に予測するためのパラメタ探査をについて成果を得た(Lin et al. 2021)。さらに、CMEシミュレーションと惑星間シンチレーション観測の同化によって、CMEの地球到来時間の予測を改善できる可能性を示すことに成功した(Iwai et al. 2021)。その他、太陽フレア発生の原因となる磁気ヘリシティの南北半球非対称性に関するデータ解析研究、太陽・恒星大気の加熱の性質とメカニズムに関する研究にて成果を得ると共に、全国的な宇宙天気予報研究プロジェクトPSTEPのサマリーリポートを連続論文として出版した。
|
Strategy for Future Research Activity |
太陽対流層の自転構造に関してはシミュレーションデータの詳細解析を通して、そのメカニズムの解明を進める。黒点形成に関しては磁束上昇とコロナへのエネルギー供給に対する対流影響をアンサンブル・シミュレーションで調べることにより、フレア発生領域の形成機構とその条件を探る。特に、フレアの原因となる非ポテンシャル磁場と磁気ヘリシティの入射及び形成過程を対流層を含んだ磁束上昇過程のシミュレーションにより明らかにすると共に、シミュレーションで作った黒点領域におけるフレア発生可能性をκスキームで解析することにより、太陽内部のダイナミクスとフレア活動の因果関係を探る研究を進める。
|
Research Products
(28 results)
-
-
-
[Journal Article] PSTEP: project for solar-terrestrial environment prediction2021
Author(s)
Kanya Kusano, Kiyoshi Ichimoto, Mamoru Ishii, Yoshizumi Miyoshi, Shigeo Yoden, Hideharu Akiyoshi, Ayumi Asai, Yusuke Ebihara, Hitoshi Fujiwara, Tada-Nori Goto, Yoichiro Hanaoka, Hisashi Hayakawa, Keisuke Hosokawa, Hideyuki Hotta, Kornyanat Hozumi, et al.
-
Journal Title
Earth, Planets and Space
Volume: 73
Pages: 1~29
DOI
Peer Reviewed / Open Access
-
[Journal Article] Space weather benchmarks on Japanese society2021
Author(s)
Ishii Mamoru、Shiota Daikou、Tao Chihiro、Ebihara Yusuke、Fujiwara Hitoshi、Ishii Takako、Ichimoto Kiyoshi、Kataoka Ryuho、Koga Kiyokazu、Kubo Yuki、Kusano Kanya、Miyoshi Yoshizumi、Nagatsuma Tsutomu、Nakamizo Aoi、Nakamura Masao、Nishioka Michi、Saito Susumu、Sato Tatsuhiko、Tsugawa Takuya、Yoden Shigeo
-
Journal Title
Earth, Planets and Space
Volume: 73
Pages: 1-20
DOI
Peer Reviewed / Open Access
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-