2023 Fiscal Year Annual Research Report
太陽系外から飛来する未知の天体の探査に向けた中性粒子・イオン質量分析器の開発
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21H04509
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
笠原 慧 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (00550500)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 勝一郎 大阪大学, 大学院理学研究科, 准教授 (40435798)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2024-03-31
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Keywords | イオン質量分析 / フライバイ探査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,これまで地球,月,水星,火星の探査に向けて開発してきた宇宙機搭載用のイオン・電子分析器のヘリテージを生かして,小天体近傍の主成分である中性ガス分子・原子をフライバイ探査で分析できる新たな質量分析器の開発を目的としている. 探査機は10-100 km/s程度の高速で天体の大気に突入するため,入射イオンの猛烈なフラックスを抑制するための,コリメータ開発が必要である.また,探査機は同時に天体から放出されるダスト(氷,ケイ酸塩)環境に飛び込む事にもなるため,このコリメータにはダストに対するシールドとしての役割も課せられる.2022年度までに,ダスト環境を精査のうえ,シールドとしての部材の材質・厚みなどを検討してきた.2023年度は,構造の詳細設計・試作・試験を実施した.その結果,例えば彗星に対して1000kmほどの最接近距離を持つミッションであれば(質量300g,板間距離45mmという制約条件の中で)アルミ3枚の構造(アルミ1mm, ギャップ27mm, アルミ3mm, ギャップ10mm, アルミ1.5mm)であれば十分なシールド能力を有せることを見出した. また,質量分析の際には,装置内に配置した炭素超薄膜をイオンが貫通することで信号を出す設計になっているが,このときに分子イオンの多くは原子に解離してしまうとともに大きく散乱され,マススペクトル上での検出が困難である.本課題では,従来のアモルファス(50Å程度)に代わる新素材としてグラフェン(5Å)を採用することを考え,実装方法を確立した.グラフェンはその薄さゆえに実装がアモルファス炭素薄膜に比べて一般に困難である(メッシュに実装する際に穴が開いてしまう)が,本研究では最終的に穴の存在率を20%以下に抑えることに成功した.また,グラフェンを用いてイオン計測データを取得し,感度や質量分解能の向上を確認した.
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Presentation] The Comet Interceptor mission: pre-project activities in 2022-20232023
Author(s)
S. Kasahara, R. Funase, S. Nakajima, K. Yoshioka, N. Sakatani, S. Kameda, A. Matsuoka, N. Murata, Y. Harada, H. Kawakita, and the Comet Interceptor team
Organizer
JpGU
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