2021 Fiscal Year Annual Research Report
Decoding oxygenation hisotory of the Earth via isotopologue analysis of sulfate
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21H04513
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
上野 雄一郎 東京工業大学, 理学院, 教授 (90422542)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 麻悠子 東京工業大学, 地球生命研究所, 特任助教 (20647664)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2025-03-31
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Keywords | 元素循環 / 酸素 / 硫黄 / 二重置換同位体分子 |
Outline of Annual Research Achievements |
硫酸計測法について好感度の検出器を導入し、二重置換度の計測精度を上げるために必要な18O32S同位体分子種の感度を10倍に上げることに成功した。一方、硫酸のフッ化によるSO2F2生成の際に、SiF4およびCClF4の二種が妨害分子として計測に影響を与えることが特定された。このことから、高精度・高確度で信頼性の高い分析を達成するため、フッ化真空ラインの改善を行った。 一方、硫酸還元菌の培養実験を行い、予察的な硫酸同位体分子計測をおこなった。その結果、二重置換度は酸素同位体の分別と相関することが明らかになり、細胞内での代謝速度に応じて平衡同位体分別に近づくという作業仮説を得た。また、天然環境で微生物硫酸還元が起きている湖について硫酸の同位体分子計測を行った結果、上記の作業仮説を支持する結果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
分析法開発において当初予想していなかった硫酸フッ化ラインの劣化があり、分析精度の低下が生じたため、その原因究明に多くの時間を費やした。そのため、当初予定していた河川水分析と硫黄酸化実験について遅延が生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、硫酸同位体分子計測の精度低下を引き起こす要因を徹底究明し、妨害分子の特定と、その低減策を講じる。そのうえで、現在進行中の硫酸還元菌培養実験に加えて、酸化的風化を模擬した室内硫黄酸化実験を展開し、これらを河川水・湖沼水と比較することで二重置換度の変動要因を明らかにする。
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Research Products
(25 results)