2021 Fiscal Year Annual Research Report
Ultra-fast operando measurement using pulse electron beam
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21H04637
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
桑原 真人 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 准教授 (50377933)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑原 彰太 東邦大学, 理学部, 准教授 (10612658)
石田 高史 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 助教 (60766525)
飯田 敦夫 名古屋大学, 生命農学研究科, 助教 (90437278)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2025-03-31
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Keywords | オペランド計測 / ナノ材料 / 生体高分子 / 電子顕微鏡 / 時間分解 |
Outline of Annual Research Achievements |
高輝度パルス電子線発生に有望なNEA-PC(負の電子親和性(NEA)表面を有する半導体フォトカソード)を用いた電子顕微鏡により、ミリ秒を超える高速オペランドイメージング計測の実現を目指す。 本年度、高輝度パルス電子源の高分解能電子顕微鏡への搭載を可能とする電子光学設計と連結用差動排気システムの設計を実施した。これにより、物理的かつ電子光学的に最適な搭載条件を見出すことに成功した。また、高速オペランド計測を実現するために専用試料ホルダーの製作を進め、パルス電子線に同期した電気的信号の入力が可能なプロトタイプを制作することに成功した。これらを元に新型パルス電子顕微鏡用のオペランド計測ホルダーの設計を進めることが可能となった。 一方、電子線損傷を受けやすい生体組織試料として魚類の卵細胞を用いて、電子顕微鏡観察用の試料作成方法の探索ならびに電子顕微鏡におけるチャージアップ効果、電子線損傷効果を確認した。また、イオン液体を用いた新しい試料作成方法を試み観察可能な条件を見出すことに成功したが、タンパク質固定方法や脱水効果の抑制について不十分であることも見出された。このため、次年度では安定した生体組織観察の限界を定量的に評価し、パルス電子線を活用した顕微鏡観察の有効性が明示される条件を確定する。他方、オペランド計測用試料の作製においては、紫外光によるナノ粒子接合やナノ構造に誘発されるプラズモンモードを測定可能な金ナノプレート粒子の化学合成を進め、合成後のナノ粒子の電子エネルギー損失分光を介して所定の表面プラズモンモードが実現されていることを確認した。さらに、オペランド計測を実現するため、FIBにおけるマイクロサンプリング技術等を応用しTEM用薄膜試料に金属電極の取り付けを実現し、電圧印加しながら電子顕微鏡観察が可能な試料作成手法を確立することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画である4点(高輝度パルス電子源の高分解能電子顕微鏡への搭載に向けた電子光学設計と連結用差動排気室設計、高速オペランド計測のための試料ホルダー設計、ダメージレス計測にむけた電子線損傷効果の検証、オペランド計測用試料の作製)について、いずれも当初予定の通り進行している。特にオペランド計測用試料ホルダーとその試料に関しては、既存パルス電子顕微鏡と組み合わせて周波数帯域計測まで実施し、当初予定の1MHzを越える早い電圧信号の入力可能であることを確認した。また電子線損傷効果の検証に対しては、当初予定していなかった新しい試料作成手法を追加で実施することができている。これら全体の進捗状況を鑑み、順調に進行していると判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に設計を終えた構造をもとに接続チャンバーを製作する。この新規製作したチャンバーを介して、時間変調した高輝度電子線発生が可能なNEA-PC電子銃を、加速電圧1 kV~30 kVで動作する高分解能電子顕微鏡本体へ搭載する。また、確認した電流導入可能なTEM用ホルダーの特性結果をもとに改良を実施し、新型パルス電子顕微鏡用のオペランド計測ホルダーの本格設計を進める。また、構築した同期システムを用いて、電子線強度変調、電子線イメージング機器を同期させ、シングルショットイメージングが実現できることを確認する。これにより撮像がナノ秒以下の時間精度で同期計測できることを実証する。一方、合成に成功した金ナノプレート粒子を用いて、プラズモンモードおよびその緩和過程の測定を実施する。また、室温でスキルミオン発現過程が観察可能な薄膜試料の作製を引き続き実施する。他方、魚類生体高分子を用いた電子顕微鏡試料の作製を実施し、二次電子像および透過電子像を用いてチャージアップ効果、損傷効果の入射電子エネルギー依存性を評価し、パルス電子線による利点を定量的に評価する。
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Research Products
(29 results)
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[Journal Article] Photoinduced oxygen transport in cobalt double-perovskite crystal EuBaCo2O5.392021
Author(s)
M. Hada, S. Ohmura, T. Ishikawa, M. Saigo, N. Keio, W. Yajima, T. Suzuki, D. Urushihara, K. Takubo, Y. Masaki, M. Kuwahara, K. Tsuruta, Y. Hayashi, J. Matsuo, T. Yokoya, K. Onda, F. Shimojo, M. Hase, S. Ishihara, T. Asaka, N. Abe, T. Arima, S. Koshihara, Y. Okimoto
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Journal Title
Applied Materials Today
Volume: 24
Pages: 101167~101167
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Observation of domain wall bimerons in chiral magnets2021
Author(s)
T. Nagase, Y. G. So, H. Yasui, T. Ishida, H. K. Yoshida, Y. Tanaka, K. Saitoh, N. Ikarashi, Y. Kawaguchi, M. Kuwahara, M. Nagao
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Journal Title
Nature Communications
Volume: 12
Pages: -
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Viral-derived DNA invasion and individual variation in an Indonesian population of large flying fox <i>Pteropus vampyrus</i>2021
Author(s)
A. Iida, H. Takemae, R. Tarigan, R. Kobayashi, H. Kato, H. Shimoda, T. Omatsu, Supratikno, C. Basri, N.L.P.I. Mayasari, S. Agungpriyono, K. Maeda, T. Mizutani, E. Hondo
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Journal Title
Journal of Veterinary Medical Science
Volume: 83
Pages: 1068~1074
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Cubam receptor-mediated endocytosis in hindgut-derived pseudoplacenta of a viviparous teleost <i>Xenotoca eiseni</i>2021
Author(s)
A. Iida, K. Sano, M. Inokuchi, J. Nomura, T. Suzuki, M. Kuriki, M. Sogabe, D. Susaki, K. Tonosaki, T. Kinoshita, E. Hondo
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Journal Title
Journal of Experimental Biology
Volume: -
Pages: -
DOI
Peer Reviewed
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