2023 Fiscal Year Annual Research Report
Ultra-fast operando measurement using pulse electron beam
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21H04637
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
桑原 真人 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 教授 (50377933)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑原 彰太 東邦大学, 理学部, 准教授 (10612658)
石田 高史 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 助教 (60766525)
飯田 敦夫 名古屋大学, 生命農学研究科, 助教 (90437278)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2025-03-31
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Keywords | オペランド計測 / ナノ材料 / 生体高分子 / 電子顕微鏡 / 時間分解 |
Outline of Annual Research Achievements |
高輝度パルス電子線発生に有望なNEA-PCを用いた電子顕微鏡により、ミリ秒を超える高速オペランドイメージング計測の実現を目指す。 時間変調した高輝度電子線発生が可能なNEA-PC電子銃を電子顕微鏡本体へ搭載することに成功した。これにより、マイクロ秒を超えるパルス幅の電子線を電子顕微鏡にて利用可能となった。 金ナノプレート粒子におけるモアレ縞の時間分解計測を発展させ、フェムト秒レーザー照射による熱膨張を超高速時間分解計測へ展開した。現在までに、熱膨張変化を実空間情報として捉えることが可能となっている。一方、半導体PN接合へ逆バイアス印加しながら電子顕微鏡像観察を実現した。さらに、オペランド計測に光照射の機能を加えることで、光電流を計測しながらの電子顕微鏡像取得にも成功した。これにより、実動作環境における光電変換材料や光半導体への展開が可能となった。また、撮像がナノ秒以下の時間精度で同期計測できること確認し、マイクロ秒以下のナノ計測およびオペランド計測が可能であることを実証した。さらに、電子線強度変調、電子線イメージング機器を同期してシングルショットイメージングデータを取得し、これに主成分分析手法を用いた動的成分抽出をデータ科学的に実施した。この結果、動的成分またはノイズ成分の分離に成功した。この手法を今後の解析手法に適応し、オペランド計測時の電子線量低減などに寄与するか実証する。 電子線損傷を受けやすい高分子結晶材料のニッケルジメチルグリオキシムを用いて、連続電子線とパルス電子線による電子線損傷効果の定量評価を実施した。この結果、電子線に含まれる量子的な統計効果が現れることがわかってきた。他方、生体組織試料に関しては魚類細胞の樹脂包埋条件、電子顕微鏡観察条件を確立し、受精卵細胞における未知の仕組みを解明することに貢献した。この成果は査読付き論文にまとめられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画である(1) 高輝度パルス電子源の高分解能電子顕微鏡への搭載、(2) パルス電子線を用いた高速オペランド計測の実現、(3) オペランド計測用試料の作製、(4)ダメージレス計測にむけた電子線損傷効果の検証の4項目は、いずれも当初予定の通り進行している。また、NEA-PC電子銃の電子顕微鏡への搭載に成功したことで、次年度の計画が滞りなく開始できる状態となっている。これら全体の進捗状況を鑑み、順調に進行していると判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に開発した高輝度パルス電子顕微鏡(高輝度電子線パルス発生が可能なNEA-PC電子銃が搭載された電子顕微鏡)を用いて空間分解能とパルス幅の依存性を計測し、マイクロ秒を超える時間分解能が実現されることを実証する。また、前年度に成功した金ナノプレート粒子におけるモアレ縞の時間分解計測を発展させ、その熱膨張過程の局所変化過程を計測し、非平衡状態におけるダイナミクスを明らかにする。また、電圧印加状態の光半導体デバイスの電荷移動観察を実施する。これらを通して、高速オペランドイメージング法が経時変化計測に対して有効であることを実証する。 一方、STEM検出器下部に設置されたイメージングセンサを用いたSerial-NED法または4D-STEM法により、通常のSTEMイメージングに比べ像コントラストの向上が得られることを確認する。その後、電子線をパルス化し、コントラスト向上やダメージレス観察の時間特性を評価する。また、魚類生体組織の微細構造観察を実施し、損傷に至る時間を算出し、電子線パルス幅を損傷時間以下に保った計測を実施することでダメージレス観察が実現されることを実証する。
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[Presentation] Development of a Measurement Method for Critical Current Density of Poly-crystalline Superconductors Using Electron Backscatter Diffraction2023
Author(s)
R. Hikosaka, K. Shimada, T. Hatano, T. Ishida, S. Tokuda, Y. Hasegawa, A. Yamamoto, K. Iida, K. Saitoh, M. Kuwahara, and H. Ikuta
Organizer
ICMaSS2023 International Conference on Materials and Systems for Sustainability 2023
Int'l Joint Research
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