2023 Fiscal Year Annual Research Report
初期分泌経路における亜鉛恒常性維持とタンパク質恒常性維持の相関と分子構造基盤
Project/Area Number |
21H04758
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
稲葉 謙次 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (10423039)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2024-03-31
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Keywords | 亜鉛 / クライオ電子顕微鏡 / 細胞イメージング / タンパク質品質管理 / ケミカルバイオロジー / 超解像顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
ゴルジ体の亜鉛恒常性維持機構と分子シャペロンERp44を介したタンパク質品質管理機構の相関に関する仕事をまとめ上げ、2023年5月に論文をNature Communications誌に発表した。 令和5年度は小胞体に唯一存在する亜鉛放出トランスポーターZiP7に着目し、その構造機能解明に取り組んだ。ZiP7のノックダウン、阻害剤処理いずれにおいても小胞体内の亜鉛濃度が大きく上昇し、さらに小胞体内のレドックス環境がより還元的になることを見出した。精製タンパク質を用いた生化学実験から、小胞体内に存在する一部の酸化酵素の活性が亜鉛による負の制御を受けることを明らかにし、初期分泌経路における亜鉛とレドックスのクロストークの分子機構を解明するに至った。本成果について現在論文投稿準備中である。 さらに、ZiP7のノックダウン、阻害剤処理時における分泌タンパク質および膜表層タンパク質のプロテオーム解析にも取り組み、小胞体の劇的な亜鉛濃度上昇がタンパク質の輸送・分泌に与える影響を網羅的に解析した。その結果、幾つかの重要タンパク質の分泌が促進あるいは抑制されていることを発見し、現在その分子機構と生理的意義の解明を精力的に進めている。 並行して、シスゴルジ槽への亜鉛取り込み、および亜鉛依存シャペロンERp44の機能制御に関わるZnT7のクライオ電顕による高分解能構造解析が大きく進み、亜鉛結合状態、非結合状態、さらには外向き型、内向き型の状態など計5つの状態の構造を決定し、ZnT7による輸送機構に関する多くの重要知見を得た。特にZnT7に特徴的な長いヒスチジンリッチループがサイトゾル側から亜鉛を取り込む上で必須の役割を果たしていることを究明した。本成果についても、2023年8月に論文をNature Communications誌に発表した
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Presentation] Mechanistic characterization of disulfide bond reduction of an ERAD substrate mediated by cooperation between ERdj5 and BiP.2023
Author(s)
Cai, X., Ito, S., Noi, K., Inoue, M., Ushioda, R., Kato, Y., Nagata, K. and Inaba, K.
Organizer
第46回日本分子生物学会年会
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