2022 Fiscal Year Annual Research Report
Comprehensive search for autophagy-selective substrates and elucidation of their degradation mechanisms
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21H04771
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
小松 雅明 順天堂大学, 大学院医学研究科, 教授 (90356254)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 芳樹 順天堂大学, 大学院医学研究科, 准教授 (90279240)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2024-03-31
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Keywords | オートファジー / 選択的オートファジー / ユビキチン / p62 / 液ー液相分離 / NRF2 / KEAP1 |
Outline of Annual Research Achievements |
オートファジーの対象となるミスフォールドや変性したタンパク質は、ユビキチン化されp62と結合、液―液相分離(LLPS)によって液滴となる。この液滴は、さらに分解性のタンパク質ゲルへと相転移し、オートファジーにより分解される。通常、LLPSにより生じた液滴は生体内で多彩な機能を発揮することが知られている。一方、p62液滴・ゲルに関してはそのオートファジー分解に関しては理解が進んでいる一方、p62液滴・ゲルの細胞機能に関しては不明な点が多い。NRF2は抗酸化ストレスのマスター転写因子であり、通常KEAP1の酸化還元状態によって制御される。今回、 LLPSにより形成されたp62液滴・ゲルがULK1によりリン酸化されると、KEAP1がp62ボディに隔離され、酸化還元に依存しない形でNRF2が活性化することを明らかにした。この酸化還元に依存しないNRF2活性化が生体内で持続すると、過角化による食道・前胃の閉塞、その結果として栄養失調や脱水による重度の成長遅延が起こることも見出した。この酸化還元に依存しないNRF2が活性化機構をRedox-independent stress responseと名付けた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新たに見出したRedox-independent stress responseの生理的意義や病態との関連が明らかになれば、新たな領域の創生につながる可能性がある。
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Strategy for Future Research Activity |
相分離依存性選択的オートファジーの制御メカニズムの解明 p62液滴・ゲルはストレスに応じてクライアントが変容することやクライアントの存在量やp62との結合強度によりp62 bodyの物性が変化することを明らかにしている(Sanchez-Martin et al., EMBO Rep 2020, Ikeda et al., EMBO J in press)。p62液滴・ゲルに含まれる基質がp62液滴・ゲルの物性に影響を与えるか否かを試験管内液―液相分離法や高速原子間力顕微鏡など先駆的なタンパク質解析法により検証する。一方、p62液滴・ゲル内のp62のリン酸化やユビキチン化などの翻訳後修飾がp62液滴・ゲルの物性に影響を与えることも見出している(Ikeda et al., EMBO J in press)。網羅的な siRNAスクリーニングによりp62 bodyの質あるいは量に影響を与えるユビキチンリガーゼ、キナーゼ、ホスファターゼとを同定している。これらのRedox-independent stress responseにおける機能解析を進める。
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