2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of migration history ecology using multi-isoscapes and analysis of tissues having an individual history
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21H04784
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Research Institution | Research Institute for Humanity and Nature |
Principal Investigator |
陀安 一郎 総合地球環境学研究所, 研究基盤国際センター, 教授 (80353449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松林 順 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産資源研究所(横浜), 研究員 (30756052)
宇野 裕美 北海道大学, 地球環境科学研究院, 特別研究院(CPD) (30803499)
申 基チョル 総合地球環境学研究所, 研究基盤国際センター, 准教授 (50569283)
石川 尚人 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海洋機能利用部門(生物地球化学センター), 副主任研究員 (80609389)
直江 将司 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (80732247)
長田 穣 東北大学, 生命科学研究科, 助教 (90750084)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2024-03-31
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Keywords | 移動履歴生態学 / 同位体地図 / 履歴保存部位 / 分子レベル解析 / 多元素同位体解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
2年目は、比較平衡法を用いてツバメの羽の水素安定同位体比を分析し、多元素同位体比を統合したmultivariate isotopic spaceを用いて地理的分布域を評価した。 <テーマ1>においては、アミノ酸の窒素同位体比測定手法をレビューした和文総説を査読付学術誌に発表した。ついで、アミノ酸の炭素同位体比の活用について検討するために、高速液体クロマトグラフィーと元素分析計/同位体比質量分法を組み合わせた、アミノ酸δ13Cの精密な測定法の開発に取り組んだ。 <テーマ2>においては、植物形質と種子の酸素同位体比の関係を検討するために、多系統の植物の種子を継続してサンプリングした。過去のサンプリング種子について酸素同位体分析を進めた。その結果、酸素同位体を用いて長距離散布を評価する手法が針葉樹にも適用できることが明らかになった。また本手法の適用にあたって、樹種内での樹体サイズや樹齢の違いを考慮する必要がないことが示唆された。 <テーマ3>においては、淡水生態系景観内の生物の移動について同位体を用いて明らかにするため、非移動性の生物の同位体比を季節ごとに測定し、その値の違いを検出した。その結果「湖沼とその流入河川」の間では炭素窒素同位体比に大きな違いがみられたが、「河川とその周辺氾濫原水域」の間の炭素窒素同位体比の違いは季節による変化よりも小さく、これらの同位体を使用した生き物の移動履歴の検出は困難であることが分かった。 <テーマ4>においては、魚類の水晶体を弱度の減圧下で乾燥させることで、表面付近から中心部まで連続的に試料を採取できることが明らかになった。また、乾燥後の水晶体径と体サイズの関係式を構築することで、水晶体の部位がどの体サイズの時に形成されたかを推定できるようになった。また、昨年度検討した回遊経路モデルを使って、サツキマスについて多個体の回遊経路を推定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナ(COVID-19)の状況によって海外渡航ができなかったため、海外調査地のインドネシアに渡航ができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナ(COVID-19)の状況が好転した時に、水素同位体比から鳥の渡り地を推定するために、日本各地のツバメの羽のサンプリングと、越冬地インドネシアにおいて現地研究者とジャワ島、スラウェシ島とボルネオ島で許可取得のための調査地の選定を行う。
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Research Products
(7 results)