2023 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanisms underlying retinal glia-mediated glaucoma
Project/Area Number |
21H04786
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
小泉 修一 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (10280752)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
繁冨 英治 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (00631061)
大野 伸彦 自治医科大学, 医学部, 教授 (10432155)
篠崎 陽一 公益財団法人東京都医学総合研究所, 疾患制御研究分野, 副参事研究員 (10443772)
柏木 賢治 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (30194723)
原田 高幸 公益財団法人東京都医学総合研究所, 疾患制御研究分野, 参事研究員 (90345306)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2024-03-31
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Keywords | アストロサイト / 緑内障 / ABCA1 |
Outline of Annual Research Achievements |
緑内障は眼圧の亢進により網膜神経節細胞(RGC)が障害されることにより引き起こされると考えられていた。しかし、アジア、特に日本では殆どの緑内障患者の眼圧が正常である「正常眼圧緑内障」であることが明らかとなり、真の分子病態の解明及び治療法開発が急務となっている。3つの独立した緑内障コホート研究(GWAS)により、共通の危険因子としてABCA1が見いだされた。そこでABCA1に焦点を当てて、緑内障の分子病態の解明を行った。ABCA1の網膜での発現を調べると、殆どが網膜グリア細胞『アストロサイト』に局在していることが明らかとなった。そこでアストロサイト特異的ABCA1欠損マウス(ABCA1cKO)を作成した。(1)ABCA1cKOマウスの眼圧は正常であった。(2)ABCA1cKOマウスはRGC脱落、網膜厚の低下、及び視野欠損の、緑内障様の症状を呈した。従ってABCA1cKKOは、正常眼圧緑内障様のモデルとして使用できることが明らかとなった。1細胞RNAシークエンスによる解析により、(3)ABCA1cKOマウスの網膜では、免疫系細胞の浸潤及び炎症反応が亢進していた。(4)ABCA1cKOマウスでは、障害を受けやすいクラスターが存在し、このクラスターではGrin3aが大きく発現低下してた。特に(4)について解析を行った。Grin3aは、グルタミン酸受容体サブタイプのNMDA受容体のサブユニットNR3Aをコードする遺伝子であり、この低下によりCa2+細胞内流入が亢進していた。従って、アストロサイトでABCA1が欠損することで、特定のRGAクラスターでNMDA受容体を介するCa2+流入が亢進し、興奮性神経細胞死により眼圧に関係なく緑内障が発症する可能性が示唆された。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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