2021 Fiscal Year Research-status Report
1920~40年代日本の技術論:グローバルな知性史の観点から
Project/Area Number |
21K00090
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
乙部 延剛 大阪大学, 法学研究科, 教授 (50713476)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千野 貴裕 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 准教授 (00732637)
川村 覚文 関東学院大学, 人間共生学部, 講師 (30713169)
新倉 貴仁 成城大学, 文芸学部, 准教授 (50757721)
馬路 智仁 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (80779257)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 技術 / 政治思想 / 社会思想 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度となる本年度は、各自の分担領域のそれぞれについて、研究の緒となるような資料収集および分析を中心に行った。すなわち、各領域について、(1)産業については、経営等と技術の関係を、(2)統治については蝋山政道の思想を、(3)政治運動については戸坂潤について、(4)哲学については京都学派の思想を、(5)文芸・思想については、大熊信行、長谷川如是閑、小林秀雄らの芸術・社会論を中心に調査をすすめ、資料の分析にあたった。 これら各自の調査をもとに、年に2回、長時間のミーティング(オンライン)を開催し、各自の進捗を報告、確認した上で、各自の研究についてコメントしあうことで、情報を共有するとともに、研究の共通の枠組みを作り上げ、今後の研究計画を協議した。その際には、研究協力者の参加も仰ぎ、有益な情報及び意見を提供していただいた。また、オンラインの会議システムやメール、チャットソフト等を活用して、随時研究について情報共有や相談を進めている。 本研究では、各自の分担する領域の研究を最終年度に持ち寄り、まとめて成果として発表していく計画であり、上記の作業もその目標に向けたものであるが、同時に、いくつかの予備作業的、あるいは関連する研究成果も得ることができた。すなわち、研究分担者の馬路は統治に関連して20世紀前半の日本の「南洋」概念について、千野は政治運動についてグラムシについて、川村は哲学に関連して技術と資本主義、情動について、新倉は産業に関連してメディア技術について、乙部は文芸・思想に関連して小林秀雄について、国内外で成果を発表している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
【研究実績の概要】の部分でも述べたように、当初定めた、最終年度における研究成果の発表という目標に向けて本年度は順調にスタートを切り、研究を進めることができた。なにより、研究分担者がそれぞれ担当すべき研究領域および研究対象が定まり、いまのところ、各対象に関する研究も大きな困難なく進んでいる。同時に、共同研究の目標や内容についての情報共有も遅滞なく進んでいる。 あわせて、各自がそれぞれ担当する領域について、関連する研究をすでにいくつか成果として発表できている。 このように研究が概ね順調に進む一方で、当初計画していた国外の研究協力者の招聘については、新型コロナ感染症の影響のため、断念せざるを得なかった。当該研究協力者からの知見の提供に関しては、他の形態で協力を仰ぐことも含め、今後も引き続き状況をみながら可能性を探りたい。
|
Strategy for Future Research Activity |
2年目となる本年も、引き続き、産業、統治、政治運動、哲学、文芸・思想の各領域について各自が引き続き資料調査、分析を進めていく予定である。進捗については、昨年度同様、年2回程度のまとまったミーティングの機会を持ち、全員が研究状況について報告してお互いにコメントするとともに、チャットソフト等で密接に情報共有・交換を図っていく。 本年度はあわせて、研究成果の発表先についても準備を進めていく。すなわち、メンバー全員での国際学会でのパネル企画や、国際的な研究ワークショップについて、適当な開催先や時期について、具体的な検討と準備を開始する。 さらに、関連する研究についても進め、適宜その成果を各自でも発表していく予定である。 なお、【現在までの進捗状況】の部分で述べたように、昨年度は実現できなかった、国外の研究協力者の来日については、オンライン等の方策も含め、状況をみながら検討していく。
|
Causes of Carryover |
国外に居住する研究協力者の来日を予定し、そのための経費を計上していたが、新型コロナウィルス感染症の流行のため、来日がかなわなかった。引き続き当該研究協力者の来日を実行できるようつとめていくが、状況に応じて、当該研究協力者からオンライン等で知見の提供を依頼する等の方策も検討していく。
|
-
-
-
-
-
-
-
-
[Book] Idology in Transcultural Perspective2021
Author(s)
Satofumi Kawamura, Aoyagi Hiroshi, Patrick W. Galbraith, Mateja Kovacic, Brian J. McVeigh, Patrick W. Galbraith, Scott Hurley, Akiko Sugawa-Shimada, Shunsuke Nozawa
Total Pages
302
Publisher
Palgrave Macmillan
-
-
-