2021 Fiscal Year Research-status Report
Cultural History of Mass-empathy: How the US and the Soviet Union had Manufactured "Empathy"
Project/Area Number |
21K00136
|
Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
亀田 真澄 中京大学, 国際学部, 講師 (70726679)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | プロパガンダ / 共感 |
Outline of Annual Research Achievements |
国家宣伝における共感という感情について調査するため、感情と歴史の関係について、とくに「マス・エンパシー」、「社会意図的に共感(empathy)を起こさせるものに取り囲まれているというのは、現代社会に特徴的な文化現象である。本研究は、第三者によって創出・操作され、集団的に感じられる共感を「マス・エンパシー」と定義づけることで、近年一種のブームとなっている共感研究に文化史的視座を提供するものである。本年度の研究では、大戦間期のアメリカとソ連において、共感を「製造する」ことによって人々を惹きつける宣伝が生まれたことについて、「マス・エンパシー」や「社会的苦しみ」といったキーワードを中心として研究を行った。その成果の一部は、国際学会である第10回ICCEES世界大会にて、「‘The Entire Country is Watching!’: Propaganda of Simultaneity in the 1930s Soviet Union」のタイトルの口頭発表で公表した。(International Council for Central and East European Studies, Montreal, Canada (Online), Montreal, Canada)
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年に専任教員として着任したばかりであり、新しい環境で新しい科目の授業をすることに時間を割かざるを得ない状況があった。三人の乳幼児を連れての引っ越しであり、新しい環境に慣れるまでに時間がかかったという部分はあり、なかなかアウトプットを頻繁に行うことは難しかったが、調査・研究のほうは、ある程度進めることができたと思う。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究成果をモノグラフの形でまとめているので、それを出版する準備を進める予定である。また、映像が感情をいかにゆさぶるか、ということについて、感情論の観点からの分析を進めたいと考えている。
|