2021 Fiscal Year Research-status Report
Reconstruction of the Genealogy of African American Speculative Fiction in Relation to Scientific Discourses
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21K00384
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
堀 智弘 弘前大学, 人文社会科学部, 准教授 (10634719)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | アフリカ系アメリカ人文学 / 科学言説 / 確率論 / アフロ未来主義 / 思弁的フィクション |
Outline of Annual Research Achievements |
COVID-19の世界的な蔓延がいまだ収束しないなかで、本研究も初年度に計画していた米国への資料収集・調査のための出張を取り止めざるをえなかった。かわりに、一般に入手可能な新たな文献を多く購入し、従来から所持している文献と併せて精査を行った。関連する文献を広く精査するなかで、ビッグデータに基づく文学テキストのmacroanalysisという新たな手法を本研究に取り入れる方向性を検討し、その有効性を見出した。また、経済学的・社会心理学的な研究成果を本研究に応用する可能性についても検討し、引き続きその方向性も追求していくことになった。こうした新たな視点の導入により、本研究が目標とする学際性をさらに深めることが期待される。 また、論文"The Dialectics of Barbarous Civilization: Black Transnational Modernism in Claude McKay's Banjo"を国際誌Texas Studies in Literature and Languageに発表した。本論文は、モダニズムと密接に連動するハーレム・ルネッサンスを先導したジャマイカ出身の作家クロード・マッケイの小説『バンジョー』(1929)を、黒人によるトランスナショナリズムの代表的な作品として再評価することで、モダニズム期におけるアフリカ系アメリカ人作家たちの役割を明確にし、本研究にもつながるものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
進捗状況が遅れた最大の要因は、初年度に計画していた米国での資料収集・調査が実施できなかった点にある。その分、入手可能な文献を広範に精査したが、そのなかで研究手法の見直しもあったため、予定した計画からは大きく変更せざるをえなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度と2年目に予定していた米国での資料収集・調査を、可能であれば一回の出張にまとめて実施する予定だが、海外渡航が難しい情勢の場合は、ひきつづき国内で文献の精査を行う。研究成果をまとめて、国際学会で発表する予定だが、こちらもオンラインでの参加となる可能性がある。あわせて、ビッグデータを活用したmacroanalysisの手法を本研究にどのように取り入れることができるのか検討していくが、この新たな手法について理解を深めるために、海外で実施されるセミナーにオンラインで参加することを検討している。
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Causes of Carryover |
COVID-19の世界的な蔓延により海外渡航を実施するのが難しく、当該年度に予定していた米国での資料収集・調査ができなかったため、使用した経費が当初の計画よりも大幅に少なかった。ほんらい当該年度に予定していた米国での資料収集・調査を次年度に行う予定である。
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Research Products
(1 results)