2021 Fiscal Year Research-status Report
How Literature Plays with Biological sciences-Beyond Biopolitics
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21K00457
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
好井 千代 大阪大学, 文学研究科, 助教 (90200930)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | アメリカ文学と生命科学 / エドガー・アラン・ポー / 病原菌説 / ヘンリー・ジェイムズ / 神経科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の開始年度にあたる2021年度は、次年度以降の研究成果の発信に向けての準備を整えた。 具体的には、2022年度のエドガー・アラン・ポー国際学会と2023年度のヘンリー・ジェイムズ国際学会へ応募してアクセプトされ、両方の国際学会での研究発表を確定した。両方の発表とも、本研究のテーマである、文学と生命科学のインターフェイスについて論じる内容である。 前者の発表では、ポーが同時代にその正当性が立証され始めた病原菌説(germ theory of disease)といかに近い世界観(様々な種の共存が調和でなく病などの害悪をもたらしうるという世界観)を持っていたか、またその世界観が19世紀後半のアメリカ社会に広がり、現代のCOVID-19のパンデミックの中にも続いているということを論じる。この発表は、2022年の4月9日にハイブリッド形式でアメリカで開催されたエドガー・アラン・ポー国際学会にオンラインで参加して、発表を終えて、高い評価の声もいただいた。この発表は、ロンドン大学のJohn Tresch教授が「ポーと科学」というテーマでこの国際学会の4つのセッションをオーガナイズする計画の際に私にも声がかかって実現したものであり、一緒に同じテーマで発表した世界各国の研究者の発表を視聴したりオンライン上で研究者たちとの短い交流もあったので、多くの研究情報が得られて、自分自身の研究を更に深める上で大変有意義であった。 一方、後者のヘンリー・ジェイムズ国際学会での発表では、ヘンリー・ジェイムズが読書に関する現代の神経科学の知見をいかに先取りしているかを論じる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究は概ね順調に進んでいると言える理由は主に、以下の2つである。1。まず、2つの国際学会への研究発表の応募がアクセプトされて、次年度以降の研究発表2つを確定させることができた。2。このうちのポーに関する発表は、年度が変わった2022年度早々に既に、発表を終えることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、直近にエドガー・アラン・ポー国際学会で発表した原稿については海外のジャーナルへの掲載を目指す。並行して、2023年度のヘンリー・ジェイムズ国際学会での研究発表へ向けての準備を本格化したい。一方、本研究で扱う文学と生命科学の融合領域は最先端の学際領域なので、ジャック・デリダの弟子のカトリーヌ・マラブー氏(Henry James Review掲載の私の論文を高く評価してくださった)を始め、世界各国の文理融合に関心のある研究者たちとの交流を心がけて、常に研究のアップデートをはかりたい。
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Causes of Carryover |
2021年度は、学内ファンドの支援を受けて、University College Londonとの医療人文学に関する国際シンポジウムを共催し、その関連研究を続行していたため、本研究の基盤作りのための科研費をフルに使った世界各国の研究者との研究交流を十二分に実施することができなかった。2022年度以降は、国際共同研究や国際共著論文につながるような、海外の研究者との研究交流に主として予算を使用する予定である。具体的には、現在のパンデミックが収束すれば、海外の研究者を招聘しての国際シンポジウムを開きたいが、対面が困難な場合でも、オンラインでの国際シンポジウムを目指したい。
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