2023 Fiscal Year Research-status Report
How Literature Plays with Biological sciences-Beyond Biopolitics
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21K00457
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
好井 千代 大阪大学, 大学院人文学研究科(人文学専攻、芸術学専攻、日本学専攻), 助教 (90200930)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | アメリカ文学 / ヘンリー・ジェイムズ / 神経科学 / 生命科学 / 文理融合 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度の研究実績は下記の2点である。 1。まず、2023年7月5日に、9th International Henry James Conferenceで、"‘In the Cage’and the Neuroscience of Fiction Reading"と題した研究発表を行なった。ヘンリー・ジェイムズの小説における人間の意識の描き方が兄のウィリアム・ジェイムズや現代の神経科学者(アントニオ・ダマシオなど)の心身の関係に関する理論にいかに類似しているかを論じた内容だったが、この国際学会の基調講演者のPaul Armstrong氏が私のこの発表を聞きに来てコメントをしてくださり、それがきっかけで、その後、お互いの共通の研究関心テーマである文学と神経科学の接点に関する研究情報のやり取りを続けることになり、文理融合の文学研究を目指す私の研究には大変有意義な展開となった。 2。本研究をさらに大きなプロジェクトに発展させるための契機として、日本とアメリカの神経科学の研究者およひ神経科学に関心のある人文系研究者と連携して、世界的に著名な神経科学者のプリンストン大学のUri Hasson教授を基調講演者として迎えて、国際シンポジウム「教育と発達のための社会神経科学」を2024年3月に京都で開催した。理系(神経科学)の研究スタイルや発想、最先端の知見などが分かり、文理融合研究を進める上で大変有意義であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究は概ね順調に進んていると言える理由は主に、以下の2つである。 1。9th International Henry James Conferenceで研究発表して、本研究と同じ研究領域の文学と神経科学の融合研究の第一人者であるPaul Armstrong氏からコメントをいただき、その後研究上の交流を続けて、本研究の国際レベルへの質的向上をはかることができるようになった。 2。国内外の神経科学の研究者およひ神経科学に関心のある人文系研究者と連携して、世界的に著名な神経科学者のプリンストン大学のUri Hasson教授を基調講演者として迎えて、国際シンポジウム「教育と発達のための社会神経科学」を2024年3月に京都で開催したが、この開催によって、本研究がさらに大きなプロジェクトに発展する可能性を作ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、9th International Henry James Conferenceでの研究発表を論文にするか、あるいはその内容を活かした更に大きな文学と神経科学の文理融合研究へと発展させたい。更に、国際シンポジウム「教育と発達のための社会神経科学」で作った人的ネットワークを生かした、国際共同研究を計画できればと思う。さらに、次年度はこの科研費の最終年度なので、本研究の取りまとめも行いたい。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた主な理由は、2023年度の最後に教育と発達のための社会神経科学をテーマにした文理融合の国際シンポジウムを、次年度の科研費も前倒してこの科研費で行ったが、基調講演にアメリカから招聘した世界的に著名な神経科学者Uri Hasson氏の旅費の一部を、このシンポジウムの後にHasson氏を招聘した理化学研究所が負担したため、当初の予定額よりも少ない支出額になったからである。また、このシンポジウムを踏まえて本研究の計画を一部修正し拡長することになったため、その研究の実施のための研究費を次年度に回す必要があった。次年度は、このシンポジウムを踏まえて、本研究をさらに発展させるとともに研究の取りまとめを行う。
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Research Products
(3 results)