2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K00531
|
Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
猿橋 順子 青山学院大学, 国際政治経済学部, 教授 (10407695)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯野 公一 早稲田大学, 国際学術院, 教授 (50296399)
豊島 昇 共立女子短期大学, その他部局等, 教授 (90821926)
木村 大輔 東京工業大学, リベラルアーツ研究教育院, 准教授 (00825523)
岡部 大祐 順天堂大学, 国際教養学部, 講師 (90828261)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 多言語 / 公共空間 / 国フェス / 国際交流 / エスノグラフィ / タイフェスティバル / 日本博 / ポストコロナ |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、調査事例として予定していた国フェス(日本のタイフェスティバルおよびタイの日本博など)が新型コロナウイルス感染症対策のため、首都圏を中心に延期や中止となった。徐々に再開の兆しが見られるものの、移動制限や感染リスクを考慮した際、実地調査は困難な状況が続いている。 そこで、2021年度は過去の催事のアーカイブを通読し、現在にいたる沿革や開催の経緯を整理した。特に公式HPに注目し、タイフェスティバル東京と日本博inバンコクの登壇者の紹介文のコーパスおよび非言語のシンボルの比較を行った。両催事は互いに似通った枠組みを備えているが、それぞれが基底にもつディスコースは催事が開催されることになった当初の目的と国家イメージに関連していることが見出された。その知見の一部は社会言語学の国際学会(Sociolinguistic Symposium)で発表し、参加者からのフィードバックを得た。 さらに、デジタルエスノグラフィの手法を取り入れながら、オンラインのタイフェスティバルの観察を実施した。デジタル場での言語選択、言語と非言語の記号の関連、相互作用の分析に取り組んでいるところである。オンラインフェスティバルは対面でのフェスティバルの再開を視野に入れつつデジタルならではの試みを取り入れている。そうした経験が今後の対面フェスティバルをどう変えていくかはひき続き注目していくべき点である。 また、実地調査の開始に備え、具体的な研究計画書を作成した上で人を対象とする研究倫理委員会の審査を受け、研究実施許可を得た。タイフェスティバルに限定せず、ラオスフェスティバル(オンライン)や日韓交流おまつり(オンライン)、ベトナムフェスティバル(実地)で参与観察やパフォーミングアーティストへのヒアリング等の調査を実施した。知見の一部は国内学会と国際学会で発表した。 関連する文献の精読に断続的に取り組んでいる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の観点から、対象事例とする催事が開催されていないため。また、調査者の移動が制限されており、フィールド調査は延期としている。
|
Strategy for Future Research Activity |
催事の再開に向けて、ひき続きデジタル領域(公式HP、公式SNS、オンラインイベント)での動きを追いかけていく。デジタルエスノグラフィと対面のエスノグラフィの違いに意識を払い、両者の組み合わせ方について方法論的な検討を行う。催事の運営にかかわる人びとやこれまで参加してきた人びとからヒアリングを行うなど、フィールドワークに代替する調査の方法についても積極的に検討していくこととする。
|
Causes of Carryover |
2021年度は対象事例の催事が開催されなかったことと移動制限により、国外でのフィールドワーク調査が実施できなかった。また学会発表についても、国内・国外共にオンライン開催となったため、出張旅費の支出がなかった。フィールド調査は2022年度に感染症の状況も鑑みて慎重に判断した上で、実施する予定である。
|
Research Products
(8 results)