2021 Fiscal Year Research-status Report
英語の話しことばにおける機能語類連鎖の働きに関する基盤的研究
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21K00582
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
澤田 茂保 金沢大学, 外国語教育系, 教授 (00196320)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 話ことば / 機能語連鎖 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は「機能語連鎖(function word sequences)」の言語学的な意味付けを行うことである。その際、大きな問題となるのは「機能語(function words)」と「内容語(content words)」の区分設定である。先行文献調査を行ってみたが、なかなか難儀する課題であることが分かった。R3年度は、主にこの根拠を求める課題に取り組んだ。概要は以下の通り。 標準的には品詞に基づく基準設定である。品詞は可変する。前置詞は閉鎖系的であるが、豊かな空間的・概念的な意味をもつ。他方で、開放系の内容語でも、名詞(thing, place)、動詞(have, get, come, go等)、形容詞(good, bad等)は、人間の認知機構の基盤概念に相当しており、新語創出がない閉鎖系である。一方、頻度で決める基準もある。コーパス言語学の成果を取り入れることで、一つの基準となり得る。この基準では意味希薄な内容語はcommon wordsとして機能語連鎖を構成する要素、とみなせる。この基準の問題は相対的・恣意的になることである。どのような基準とするかは根本的な問題であり、研究の方向を変えてしまう可能性を含んでいる。 また、本研究の構想を、客観試験での会話問題のテキストに応用してみた。試験問題の会話は「会話である」と認識できるので、一般的な会話の特徴を有す。しかし、会話分析が明らかにしている会話の特徴と照らし合わせてみると、会話の冒頭部には、人為的な圧縮が存在し、また、後半部分は問題であるがゆえの特徴的な終わり方がある。しかしながら、中間部の進め方に機能語連鎖あるいはその相当単位が確認できる。 その他の基盤的な作業として、ラジオドラマスクリプトの音声起こしを行って英語会話のコーパスデータの作成を進めた。しかし、計画にあった母語話者との確認の作業は密な環境が必要なため自粛した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の進捗状況が遅れている理由は以下のとおりである。 (1) 勤務大学での管理業務に多くの時間がとられ、研究のための時間が十分確保できなかったこと。(2) 内容語と機能語の言語学的な位置づけのための基礎調査の必要性があり、それに取り組む時間が想定以上にかかったこと。(3) 関連論文の執筆を計画していたが、勤務先での教育に関連した内容の論考を表すこととなり、それに時間を割いたこと。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究を遂行するには一定程度の時間を継続的に確保する必要があるが、勤務先大学での管理業務を優先せざるを得ないので、若干データ規模を下げて取り組むこととする。 その理由は、過去の科研によるラジオドラマスクリプトのコーパスデータの全体を対象とすると、データ量が多いために、解析する場合に大量の時間を要す。従って、例えば、適当なエピソードのデータを一つか二つ絞って、それに対して、構想中の分析を試みることとしたい。その方式で期待した成果が出ることが予測されば、次年度以降にはより範囲を広げて、研究課題の主張の基礎固めを行う。
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Causes of Carryover |
当初計画では、コーパスデータ作成のために研究代表者が音声起こしを行ったラジオドラマのスクリプトについて正確さを期すために母語話者インフォマントと確認作業を行う予定であった。しかし、この作業は個々の事項を相互交渉的に行う必要があり、対面で密な環境を必要とするので、新型感染症の影響で自粛した。
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Research Products
(1 results)