2021 Fiscal Year Research-status Report
地域の日本語教室で学ぶ学習者向け日本語学習アドバイジング実践に向けた調査と教材化
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21K00597
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
瀬井 陽子 大阪大学, 国際教育交流センター, 特任助教(常勤) (00868341)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 日本語教育 / 言語学習アドバイジング / 学習者オートノミー / 地域の日本語教室 / 言語学習ポートフォリオ |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度に実施することとして(1)日本語学習アドバイジングを実践している教育現場におけるアドバイジング実践の調査、(2)地域の日本語教室で活動する支援者向け言語学習アドバイジング教材の検討、の2つを予定していた。 実施した内容として(1)は、既に日本語学習のアドバイジングが取り入れられている教育現場で、アドバイジング活動を録音し、会話の流れ・進め方・使用するツールなど、活動の詳細を記述した。(2)は、地域の日本語教室の運営者やコーディネーター、支援者と面会し、言語学習アドバイジングについて意見交換を行った。 4月から8月の間に、(1)の調査を行い、9月に文字化とデータの整理を行った。分析の一部をもとに、9月と10月に(2)の地域の日本語教室で活動するコーディネーターと面会し、意見交換を行った。COVID-19の影響を受け、訪問ができなかった日本語教室についてはオンライン(Zoom)で担当者と面会した。 (1)については、セッションの中で学習者がどのように目標達成の過程を話したかのケーススタディを論文にまとめ、セッション全体の流れを学会にて発表した。データは複数あり、分析は引き続き行う予定である。 (2)については、アドバイジングを行うために、教室に来たばかりの学習者がそれまでの学習背景を支援者に伝えることができるツールが必要であることが明らかになり「日本語学習支援者と一緒に使える日本語学習ポートフォリオ(試作版)」を作成した。試作版の日本語学習ポートフォリオは、中国語(簡・繁)、韓国語、ベトナム語、ネパール語、フィリピン語、インドネシア語、ポルトガル語、タイ語、英語に翻訳した。この試作版をもって、2年目は支援者がどのように使うかの調査を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2つの課題について、予定通り調査を実施し、研究成果を学会および論文で発表することができた。COVID-19の影響を受け、様々な地域の日本語教室を現地で見学することができなかったが、必要な情報はオンライン(Zoom)やメールで得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、今年度試作した「支援者と使う日本語学習ポートフォリオ」を試験的に使い、それについてより多くのコーディネーターまたは支援者と意見交換をする予定である。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響を受け、学会がオンラインで開催され、また地域の日本語教室の見学も行くことが困難であったため、計上していた旅費を執行することができなかった。 翌年度は、これらの状況が解消される見込みであることから、予定していた旅費を執行できると考えている。
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