2022 Fiscal Year Research-status Report
地域の日本語教室で学ぶ学習者向け日本語学習アドバイジング実践に向けた調査と教材化
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21K00597
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
瀬井 陽子 大阪大学, 国際教育交流センター, 特任助教(常勤) (00868341)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 日本語教育 / 言語学習アドバイジング / 学習者オートノミー / 地域の日本語教室 / 言語学習ポートフォリオ |
Outline of Annual Research Achievements |
事業期間の二年目である令和4年度は「地域の日本語教室で活動する支援者向け言語学習アドバイジング教材にはどのような項目があるべきか。初めて言語学習アドバイジングに触れる支援者が使えるようなガイドラインを構築するために、どのようなものを作成すれば良いか検討する」を実施計画に入れていた。 そのために、9月と2月に地域の日本語教室で活動するボランティアを対象とした市民向け講座で、初年度に作成した「日本語学習支援者と一緒に使える日本語学習ポートフォリオ(試作版):以下試作版ポートフォリオ」を用いて、支援者に言語学習アドバイジングについての導入を行った。その際、まずボランティアが普段どのような活動をしているかのヒアリングを行い、言語学習アドバイジングについての説明を行い、試作版ポートフォリオの使い方を説明した。地域の日本語教室のボランティアによる日本語学習の支援者の育成はアフターコロナに向けて重要であり、実際に導入するための質問も多く寄せられた。試作版ポートフォリオはウェブ上に公開しておりボランティアが日本語教室で使用できるようにており、年度末のダウンロード数は67回となっている。 その後、支援者と面会し、試作版ポートフォリオをボランティアが使う上での説明文書を作成した。これについては、次年度に行う課題「言語学習アドバイジングの方法を実践するための教材を支援者はどのように使うのか。作成した教材が、地域の日本語教室でどのように使われるのか」で明らかにする予定である。 また、昨年度行った教育現場におけるアドバイジング実践の調査を踏まえ、理論的枠組みについての文献調査を行った。その調査の研究成果は、日本語教育における自律学習促進と支援についての論文にまとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3年間の事業計画の2年目として、昨年度の成果を踏まえて計画していた内容を実施することができた。また、次年度の研究課題も明確になり、初年度に実施した内容から新たに出た課題についても文献調査をすることにより明らかにできた。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、引き続き市民向け講座で、初年度に作成した「試作版ポートフォリオ」を用いて、支援者に言語学習アドバイジングについての導入を行うとともに、「言語学習アドバイジングの方法を実践するための教材を支援者はどのように使うのか。作成した教材が、地域の日本語教室でどのように使われるのか」を明らかにするために調査を行う。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響を受け、学会がオンラインで開催され、また遠方の日本語教室の見学も行くことが困難であったため、計上していた旅費を試行することができなかった。翌年度はこれからの状況が解消される見込みであることから、予定していた旅費を執行できると考えている。
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