2023 Fiscal Year Annual Research Report
地域の日本語教室で学ぶ学習者向け日本語学習アドバイジング実践に向けた調査と教材化
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21K00597
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
瀬井 陽子 大阪大学, 国際教育交流センター, 特任助教(常勤) (00868341)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 日本語学習 / 言語学習アドバイジング / 学習者オートノミー / 地域の日本語教室 / 言語学習ポートフォリオ |
Outline of Annual Research Achievements |
事業期間の最終年度となる令和5年度は「言語学習アドバイジングの方法を実践するための教材を支援者はどのように使うのか」「作成した教材が、地域の日本語教室でどのように使われるのか」についての調査を実施計画に入れていた。昨年度実施した地域の日本語教室で活動するボランティア対象の市民向け講座を踏まえ、今年度実施したことは(1)昨年度までに作成した試作版ポートフォリオを完成させてウェブサイト上に公開、(2)ボランティアが使う上で参照できる説明文書の作成、(3)ボランティアへのインタビュー結果の分析、の3点である。上述の研究課題に対し(1)~(3)の過程で得られた研究成果を、2本の論文にまとめ、3件の学会発表にて報告した。具体的には、ボランティアは教室の方針や自身の役割に応じて学習者の活動の中で言語学習アドバイジングの手法を取り入れていたことを明らかにした。事業期間三年間を通した成果は下記の3つである。 1)言語学習アドバイジングについての文献調査を行い、日本語教育分野における自律学習の概念を調査し、具体的な実践方法を整理した 2)日本語学習者が自己主導型で学ぶ過程を記述し明らかにした 3)地域の日本語教室でアドバイジングを導入する方法を探ることを目的にボランティアへのインタビューを実施し、導入するための課題を整理した さらに、これらの結果を踏まえてボランティアを対象とした講座を年度末に行った。 これらを通し、調査によって「日本語学習アドバイジング」を地域の日本語教室で支援者が使っていくためのガイドラインを作成し、研究を通して明らかになったことを、実用的な形にすることで、多様な学習者に対応できる新たな学習支援のありかたを提案したことが本研究の成果であると言える。
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