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2021 Fiscal Year Research-status Report

独話タスクと教室談話における日本語のアカデミック・スピーキングの特徴と習得の研究

Research Project

Project/Area Number 21K00598
Research InstitutionHiroshima University

Principal Investigator

畑佐 由紀子  広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (40457271)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 小口 悠紀子  広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (70758268)
Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywords日本語教育 / アカデミックジャパニーズ / 談話 / 独和
Outline of Annual Research Achievements

近年,国内の大学・大学院で学ぶ留学生が急増したことから,アカデミック・ジャパニーズの研究や教材開発が進みつつある。しかし、これまでの研究では,作文やレポート作成などアカデミック・ライティングの分野での発展が中心であり,学習者のアカデミック・スピーキングの問題点や習得状況を解明する研究は極めて少ない。また,日本語学習者だけではなく,日本語が母語である日本人学生のアカデミッ ク・スピーキングの実態についても解明が進んでいない。そこで、本研究は,アカデミック・スピーキングの独話コーパスと授業活動のデータを用いて,日本語母語話者と学習者のアカデミック・スピーキングの 特徴を明らかにすることを目的とした。
そのため、まず学習者の独和データを収集するためのオンラインプログラムを開発し、これを使ってデータ収集を行った。具体的には,論証・説明・描写という異なる独話タスクを用い,母語話者と学習者に同じタスクを課し,母語話者と学習者の直接比較ができるようにした。また,習熟度の異なる学習者と日本語母語話者を対象とし,習熟度の違いによるアカデミック・スピーキングの特徴の習得状況を探ることができるようにした。
次に,オンライン会議システムを用いて,授業中の発話を録音した。特に,教室でのプレゼンテーション,ディスカッションを中心としたデータを収集した。これらを自動文字化システムを用いて文字化し、その精度確認するとともに修正の手順を決めた。更に、データのコード化と独和データの評価指標について検討した。
また一部のデータについては分析をすすめ、2つの国際学会での口頭発表,1つの国内学会での発表,3つの投稿論文を発表した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

2021年度は主として,独和データを収集した。まず,論証,説明,描写課題計40問をランダム提示するオンラインプログラムを開発した。このプログラムを調査対象者にZoom で提示し,発話を録音するための事前調査を行い,動作環境を確認した。そして,日本語学習者60名と日本語母語話者40名を対象に, 各人10題のタスクを提示し,オンライン会議システムZoomを用いて音声を録音した。この音声をオンラインの文字化システムを用いて文字化し,翻訳の精度を確認するとともに,不正確と判断された箇所について,手作業で修正を行った。データファイルはテキストファイルとして保存した。
また,学部と大学院の授業をZoomで収録し,学習者の発表とディスカッションの音声を収集した。この音声も文字化システムを用いて文字おこししたが、特にディスカッションは精度が低いため,手作業での修正に時間がかかっており、まだ終了していない。
更に,これらのファイルを分析するためのコード化の方法について検討し,いくつかの高度化の方法をテストした。また,学習者の発話を評価するための指標の原案を作成し,一部のデータを使ってその信頼性と妥当性を探った。更に一部のデータを使って、構文や談話構造についての分析を進めた。

Strategy for Future Research Activity

次年度は,現在分析中のデータについて,学会発表と論文の執筆を行う予定である。すでに,現在2つの学会発表に応募し、一つは採択されている。
次に,2022年度の前期は文字化した独和データのコード化と音声データの評価指標を完成させ,これまでに収集した独和データのデータベースを完成させる。また,学習者のデータがまだ十分とは言えないため,後期に新規の留学生が来日した後,速やかにデータ収集を行い,年度内に新規のデータを含めたデータベースを完成させる予定である。
授業中のデータについては,まず文字化システムの不備を補い、分析に適した文字化ファイルを完成させる。次に,文字化したファイルを発表とディスカッションに分けて,データベースを年末までに構築する。
本年度の第三の目標としては,後期にはデータベースを用いて,コーパス分析と談話分析を行う。この成果を,学会発表及び学会誌へ投稿する予定である。また,本研究での成果をもとに,日本語指導への応用について,授業の実践を試みるとともに,著書の執筆を始める。

Causes of Carryover

中国在住の在籍学生で年度内に来日する予定の学生に翻訳と校正の謝金を払う予定だったが、コロナ感染の拡大により、年度内に来日できなかった。そのため、支払予定だった謝金が年度内に支払えなくなったので、謝金の支払い申請を削除し、来日後に支払うことにした。

  • Research Products

    (6 results)

All 2021

All Journal Article (3 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Peer Reviewed: 2 results) Presentation (3 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results)

  • [Journal Article] 韓国語を母語とする日本語学習者の連体修飾節における「-タ」形と「-テイル」形の選択傾向‘」2021

    • Author(s)
      李在鉉、朴胤宣
    • Journal Title

      日語日文學

      Volume: 91 Pages: 99-117

    • Peer Reviewed / Int'l Joint Research
  • [Journal Article] 連体修飾節における日本語「-タ」「-テイル」と韓国語の「-eun・neun」「-go・a・eo iss-neun」の使用基準の違い2021

    • Author(s)
      李在鉉
    • Journal Title

      日本語教育研究

      Volume: 96 Pages: 35-52

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 連体修飾節における韓日アスペクト形式の対応関係-文末における対応関係との比較を通して-2021

    • Author(s)
      李在鉉
    • Journal Title

      日語日文學研究

      Volume: 117 Pages: 143-167

  • [Presentation] Task-Based Assessment of Academic Speaking Ability in Japanese: L1 and L2 Differences in Complexity, Accuracy, Fluency and Functional Adequacy.2021

    • Author(s)
      Hatasa, Yukiko
    • Organizer
      AILA 2022 World Congress
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] Assessment of Academic Speaking Ability in Japanese.2021

    • Author(s)
      Hatasa, Yukiko
    • Organizer
      The 16th EAJS International Conference
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] 初級日本語教科書における授受補助動詞「てあげる」の扱い ―「恩着せがましさ」への配慮に着目して―2021

    • Author(s)
      小口悠紀子・帖佐幸樹
    • Organizer
      日本語/日本語教育研究会

URL: 

Published: 2022-12-28  

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