2023 Fiscal Year Research-status Report
就学前段階の外国につながる子どもに対する日本語教育の意義と課題
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21K00629
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Research Institution | Mejiro University |
Principal Investigator |
當銘 美菜 目白大学, 人間学部, 専任講師 (10773682)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 外国につながる子ども / まなざし / 同じであること / 保育者 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、2022年度に引き続き、これまで実施してきた質問紙調査を分析することと、外国につながる子どもを保育した経験のある保育者に対するインタビューを実施した。それらを分析した結果を、学会発表(日本国際理解教育学会)し、紀要論文にまとめた。 質問紙調査では、「外国につながる子ども」に対して、特別の保育・教育上の配慮があるか(あったか)という問いに「いいえ(他の園児と同じ)」と回答している園が多かったが、一方で、子どもの受け入れにあたって、翻訳機器を導入したり、園案内や園だより等の翻訳版を用意したり、コミュニケーション場面で使用する、イラストや絵カード等を用意していると回答していたことから、実際には、特別な配慮をしているが、それらが通常の保育に埋め込まれているため、特別だと認識されていないのではないかと推察された。 保育者へのインタビュー調査では、昨年度も「子どもの安全や情緒の安定を気遣う保育者の援助や関わり」が見出されたが、こちらも養護的な関わりにおいて、特別な配慮が行われていると捉えなおすことが可能だといえる。「同じ(クラスの友だち)であること」を根っこに、外国につながる子どもたちの持つ多様な言語的文化的な違いを「違ったままで」包摂する保育者のまなざしは、子どもたちが「ただ居ること」を支えるケアとして機能しているのではないかと考えられる。 保育者を対象とした調査は、2024年度も継続して実施していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
質問紙調査を実施し、インタビュー調査の結果とあわせて学会発表や紀要論文としてまとめた。質問紙調査の回収率等の課題を解決するために、別の方法を検討し調査を行う必要がでてきたため計画が遅れているが、実施の目途が立ち、改善に向かっている。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は最終年度となる見込みである。調査の分析結果を調査協力者である保育現場や関連機関等に還元する方法を検討し、作成に取り組む。また、ひろく研究成果発表につなげていくために、学会発表や論文執筆のほか、報告書の作成も行う。
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Causes of Carryover |
質問紙調査の回収率等の課題を解決するために、新たな方法を用いて調査をする必要が出てきたため。2023年度に計上していた報告書の作成や成果発表のための予算を次年度に見送った。
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Research Products
(2 results)