2021 Fiscal Year Research-status Report
小中学校における日本語指導教員を支える校内体制と小中連携
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21K00638
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
竹内 陽介 立命館大学, 言語教育センター, 嘱託講師 (80836536)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 日本語指導教員 / 中学校 / 教師アイデンティティ |
Outline of Annual Research Achievements |
研究初年度は、中学校日本語指導教員やその周囲の教員に対するインタビューやアンケート調査を行うために、所属大学で、人を対象とする研究倫理委員会の審査を受けることと対象者を探し、依頼を行った。研究倫理委員会の審査は、研究を安全に行うために必要なことであり、本研究では研究協力者の存在が大きいため、欠くことができない。研究計画のうち、小学校中学校の教員が同僚教員との関係をどのように構築しているのかという部分の調査についての承認を得た。新型コロナウイルスの感染の波が何度かあり、予定よりも数は少なくなったが、関係する教員にインタビューをしたり今後のインタビューの協力を約束を得ることができた。 本研究にも引き継がれているこれまでの研究成果を口頭発表した。内容は、日本語指導教員が学校の他の教員集団の中でどのような役割を意識しているのか、またそのアイデンティティの形成過程について行った調査結果についてであった。日本語指導教員たちが、他の教員とは異なる視点で、外国人等生徒の学習や生活の課題解決を支援しようとしていることがわかった。またその形成過程は、日本語指導についての他者の理解(同じ学校内や広く社会的な視点)によって変化してきているが、外国人という児童生徒が少ない時代には、活用できる資源も少なかった。国内で外国人との共生が課題と認識されるに従って、支援の形は整備されてきている。しかし、日本語指導教員としての独自の活動や専門性だけが求められているわけではなく、一人の教師としての自分というアイデンティティが活動の根幹にあるという事例を描くことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初研究協力を依頼していた教員が、日本語指導の担当を外れてしまったことや、新型コロナ禍での外出の規制などが続き、対面でのインタビュー調査や日本語教室への観察が中止になってしまったこともあった。年度の終盤になり、事態が落ち着いてきたこともあり、何件かのインタビューを行うことができた。また現在調査をしている市で外国人等児童生徒の教育の研究会を主宰していた人物と連絡を取ることができたため、今後関係する学校や教員にアプローチして研究への協力を求めたい。研究倫理委員会では、インタビューに加えて、記述式のアンケート調査を行うための承認を得たが、学校全体として協力してくれる学校を見つけるのが難しい。
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Strategy for Future Research Activity |
学校全体へのアンケート調査は、今後も協力校を探していくが、個人へのインタビューは今後も継続して行っていく。中学校へのインタビューを行ったので、順次小学校教員へのインタビューを行いたい。
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Causes of Carryover |
データ採取のためのインタビューが少なかったことと、文字起こしを研究者本人が行ったことにより経費が少なく済んだ。今後は状況に応じて、アルバイトを雇うことなどを検討している。また前年度よりインタビュー調査が行えるのではないかと期待している。
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Research Products
(2 results)