2023 Fiscal Year Research-status Report
小中学校における日本語指導教員を支える校内体制と小中連携
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21K00638
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
竹内 陽介 立命館大学, OIC総合研究機構, プロジェクト研究員 (80836536)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 日本語指導 / 中学校教員 / 小学校教員 / カリキュラムマネジメント / チームとしての学校 / Teacher Agency |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の3年目は、主に中学校に勤める、またはつとめていた教員から新しいデータを得ることができた。特に日本語指導教員の加配を受けている同じ学校の複数名の話を聞くことができた。しかし、小学校のデータが不足しており、進度にむらがある。 本年度は、日本語指導教員と他の教員の連携をカリキュラムマネジメントやチーム学校の観点から、考察することにした。カリキュラムマネジメントは学校が直面する様々な問題に対応するために必要な対応策だと考えられるが、具体的に教員がどのようにつながりをもとうとしているのか説明がなされていない。その教師の連携についての判断をTeacher Agencyの理論を用いて説明しようと試みた。分析には主にSCATを用い、インタビューデータを概念に変換をして、それがPriestley et al. (2015) のTeacher Agency via an ecological approach に当てはまるか検討した。これは、立命館大学教職教育研究11号に「Teacher Agencyの観点から考察する日本語指導が必要な生徒を育てる教員の輪」として掲載された。 参考文献 Priestley, M., Biesta, G., & Robinson, S.(2015). Teacher Agency : an Ecological Approach. Bloomsbury Academic.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究協力者を探すことは相変わらずの課題であるが、特に小学校で日本語指導をする教員の十分な協力を得ることができず、データが不足している。また中学校であっても、センター校方式で児童生徒の日本語指導指導をしている学校と加配教員を受けている学校とで、対応が大きく異なることがわかった。こうした点をどのように整理していくかを検討しないといけないと考えている。 また、分析枠組みとしてカリキュラムマネジメント、Teacher Agency を利用しているが、さらに分析に適切な理論や視点があるのか検討が、必要だと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
得られたデータの分析をして、公表できる形にまとめていくことを続ける予定である。研究枠組みについては、他の研究者の助言などを得ながら、検討を重ねる。学術的価値の高い研究を目指すためには、研究者の理解を深める必要があると感じている。
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Causes of Carryover |
コロナ禍を脱し、出張が再開された。また必要な物品を購入してきたことにより、前年度の予算は使用がすすんだ。しかし、過年度の繰越金があり、今後有効に利用したいと考えている。研究をすすめるための理論として、カリキュラム学や教育経営学などの視点が有効ではないかという指摘を得たので、勉強するための書籍の購入や研究会の参加をしていきたい。
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