Plurilingual approach in multicultural courses where Japanese students and international students study together

2021 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 21K00645
• Research Institution: Hokkaido University
• Principal Investigator: 山田 悦子 北海道大学, メディア・コミュニケーション研究院, 准教授 (70600659)
• Project Period (FY): 2021-04-01 – 2024-03-31
• Keywords: 多文化クラス / 国際共修型授業 / 留学生 / 国内学生 / 複言語主義 / 複言語資源

Outline of Annual Research Achievements

日本の大学の留学生と日本の学生が共に学ぶ国際共修型の多文化クラスにおいて、学生たちが習得している、あるいは学習経験のある様々な言語をすべて「複言語資源」として活用する活動を開発し、それらを取り入れた授業実践を元にした実証研究を行う。この実証研究によって複言語主義の理念の柱のうち、特に個人の言語レパートリーを言語資源として活用することにより、社会参加の平等性への意識がどのように育成されるかについて探究することを目指す。
留学生と日本の学生とが共に学ぶ多文化クラスの授業における実証研究のため、研究計画1年目である2021年度はクラス活動によるデータ収集を予定していたが、新型コロナ感染状況の悪化による留学生の入国制限のため多文化クラスが実施できず、データ収集は進まなかった。その反面、これまでに学生たちと交流を行ってきた受け入れ側の地域社会の住民へのインタビューを実施し、シンポジウムの開催などを含めた今後の活動について、意見交換を少し進めることができた。受け入れ側の意識についても、インタビューから示唆が得られた。
また、研究成果を発表する場としての国際学会も、新型コロナ感染状況の悪化から、発表を予定していた国際学会はすべて中止になり、当初の予定は達成できなかった。
研究成果の発表としての論文執筆にも力を入れる予定であるが、データの収集ができないため、文献研究を中心に進めた。
以上のような状況ではあるが、2022年度以降、若干の軌道修正の上、効果的に成果を発信できるよう努める次第である。

Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

新型コロナ感染の拡大に伴う入国制限により留学生が入国できず、対象の多文化クラスの実施が出来なかったことが大きい。つまり主要データの収集ができなかった。2021年度は地域住民へのインタビューや文献研究など、とりあえずデータ収集以外のことを進めた。

Strategy for Future Research Activity

授業実践に基づいたデータ収集を実施することを、2022年度はまずクリアしなければならない。幸い、2022年度は4月時点で既に留学生の入国が始まっており、対象授業に一定数の留学生、国内学生の履修が見込まれているので、2学期分のデータ収集の見込みは立っている。
当科研費に応募した際は新型コロナ感染状況が悪化した時期で、計画通りに研究が進まない可能性も予測できたため、比較的余裕をもたせたり軌道修正がしやすい計画を作成することを学んだ。また、当科研費研究の前に、同じく多文化クラスを対象とした2つの科研費研究を実施しており、その実施経験からのノウハウもあり、2021年度に少し進めた文献研究と合わせて最終目標に向けて軌道修正をしながら研究計画を実行していく予定である。

Causes of Carryover

当初、発表を予定していた国際学会が、新型コロナ感染拡大のためにキャンセルとなり、旅費の支出がなかったことが大きい。2022年度以降は、それを取り返すべく、海外での国際学会での発表の機会を増やし、実施していく予定である。
また、学生と交流する一般地域住民の場合は、インタビューを行った際に謝礼を支払う予定であり2021年度には、本来実施予定であった目的での学生と交流後の本格的なインタビューという意味での実施はできなかったが、2022年度以降はそのような経費の支出の回数の増加も見込まれる。
2022年度以降は、2年間をかけて初年度に生じた遅れを取り戻していく予定であり、支出の機会は全体的に増えることと見込んでいる。