2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K00977
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
水ノ江 和同 同志社大学, 文学部, 教授 (10824568)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 縄文磨製石斧の分類 / 石斧の分類の定義 / 原産地の状況 / 石材の種類・名称の定義 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、全国10名の研究協力者とともに、これまで研究実績のない縄文磨製石斧の日本列島規模での編年の構築を目的とする。そのため2021年度は、各協力者が資料調査を実施して、その成果報告を取りまとめることが研究の中心となる予定であった。しかし、コロナ禍により他都道府県への資料調査や同一都道府県内でも対面式での資料調査がほとんどできなかった。これについては2022年度の前半段階で実施・挽回する方向で調整を進める。 この資料調査の未実施を少しでも補うことを目的に、オンラインによる例会を毎月1回開催した。内容は各協力者が担当する地区の縄文磨製石斧研究の現状と課題の確認と整理を、約1時間ほどご発表いただき、その後、質疑応答を30分ほど行うものである。この毎月の例会の成果は予想以上に大きく、着実な積み重ねは今後につながり有益であったと考えられる。特に、各地区間において、縄文磨製石斧の石材に関する認識が異なること、例えば、同一の石材でも地区によって呼び名が異なること、あるいは製作技法における工程の名称の不統一などである。一体的に研究を進めるうえで、言葉や定義のお不統一は共同研究の妨げになる、したがって、その共通認識が早い段階で確認・修正できた意義は大きい。 なお、3月19日に研究代表者が所属する同志社大学で年度末の確認会議を対面式で実施したが、これもコロナ禍により半数の参加しかできず、オンラインと併用するハイブリッド会議となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍により、都道府県を越えての資料調査や、同一都道府県内でも対面式の資料調査が難しい状況であったため。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、その前半段階で、2021年度にコロナ禍の影響で実施できなかった対面式での資料調査を積極的に進める。 2022年度の研究のメインは、縄文磨製石斧の石材原産地として有名な北海道日高地区での現地調査を協力者全員で行う。そしてそれを踏まえ、縄文磨製石斧研究における石材原産地とそこから東日本一帯に広域的に流通する石材の在り方、あるいは縄文磨製石斧の製作技法の復元などについての研究を進める。本研究においては、これまでの縄文磨製石斧研究では不十分であった、石材原産地の状況、石材の種類、製作技法などについて、まずは共通認識に構築することが、極めて重要と考えられる。
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Causes of Carryover |
10名の研究協力者が、コロナ禍の影響により、都道府県を越えての資料調査、および同一都道府県内であっても対面式の資料調査については実施ができない場合が多かったため。2022年度はコロナ禍対策が社会的にも着実に改善されていることを踏まえ、2022年度の前半段階で、未実施だった資料調査を計画的に進めるように調整する。
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