2021 Fiscal Year Research-status Report
A geographical study on urban transport transitions in Europe
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21K01030
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山下 潤 九州大学, 比較社会文化研究院, 教授 (90284562)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 技術革新 / 複雑系 / 共進化 / マルチレベルの視点 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、都市の持続可能な移行(UST)論に依拠し、UST研究の分析枠組の1つであるマルチレベルの視点(MLP)を用いて、令和3年度には、主に統計データを用いて調査対象地域を決定することを目的とし、以下のような研究計画を立てた。まず予備調査で、OECDや欧州統計局等の統計を中心に、スウェーデン・連合王国等の政府の統計も活用しつつ、運輸部門のGHG排出削減量が多い調査候補地域を、これらの対象国ばかりでなく、運輸産業が発達しているドイツ、フランス等の欧州諸国からも複数の候補地を抽出する。つぎに予備調査で抽出した調査候補地から、次年度以降、運輸部門のUSTを明らかにする対象地域を選定するため、調査候補地で現地調査を実施する。最後に、現地調査の結果を踏まえて、候補地を絞り込み、対象地域を選定する。 上述した研究計画にそって、海外での現地調査を基礎として研究をすすめる予定であったが、令和元年末からの世界的な新型コロナウイルス感染拡大の影響から、令和3年度初めから年度末まで、外務省による渡航中止勧告が上述した対象国に対して発令されていたため、令和3年度内での現地調査を断念せざるをえなかった。このことから、主にインターネット上で利用可能な統計を活用した予備調査によって、スウェーデンと連合王国を含む欧州諸国で調査候補地を選定できたものの、現地調査の成果と現地調査後の分析の結果をえることはできなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
上述したように、文献調査を通じて、研究対象地域選定に必要な資料をある程度収集できたが、世界的な新型コロナウイルス感染拡大の影響により、令和3年度の研究計画のうち、現地調査が実施できず、現地調査の成果を踏まえた分析も行えなかったことが評価理由としてあげられる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画にしたがい、令和3年度にできなかった現地調査を令和4年度の早期に実施することで、まずは研究対象地域を選定したい。つぎに、これらの地域で、イノベーションの実態に関して研究を進める。これはマルチレベルの視点(MLP)のマクロスケールでの分析にあたる。具体的には、令和3年度までに収集した資料を参照しつつ、現地調査の調査項目を再検討する。ついで、これらの調査項目にもとづく現地調査を通じて、イノベーションの実態を把握したい。
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Causes of Carryover |
令和3年度に現地調査を実施できなかったため、上述した今後の研究の推進方策にもとづき、令和4年度に、令和3年度に予定していた海外調査を中心に研究を進め、主に現地調査に係る旅費で助成金を使用する。
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