2023 Fiscal Year Research-status Report
Emergency Management and Planning: Analysis of Duality in Prefectural Planning Administration
Project/Area Number |
21K01295
|
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
太田 響子 愛媛大学, 法文学部, 准教授 (60723963)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 危機管理 / 計画行政 / 都道府県 / 出先機関 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、危機管理計画の持つ予防計画と対応計画の二重性を手がかりに、その策定から実施にかけての政策過程に着目することで、危機管理計画を取り巻く政治性にも注視しながら、国の法制度と結びつき、定型性とバリエーションの両面が見られる都道府県の計画の構造を明らかにするものである。 1~2年目においては、危機管理行政および危機管理計画についての先行研究および日本の行政計画および危機管理政策の展開を通観し、危機管理の計画がなぜ二重性を持つ現在の形に至ったのか、理論的な背景を整理し論文等を発表するとともに、都道府県の防災・危機管理部局へのヒアリング調査を実施してきた。3年目となる本年度は、引き続き複数の都道府県の危機管理計画関連のデータ収集を行うとともに、新たに和歌山県、静岡県への現地調査とヒアリングを実施した。これらの作業に基づき、具体的な災害対応業務について各都道府県がいかなる計画等を整備し、それらに特徴や違いが生じているかを明らかにするため、災害時避難計画などの具体的計画を元に都道府県間の比較分析を実施した。 また、本年度は都道府県の危機管理において市町村との連携のハブとなる都道府県の地域出先機関に着目し、防災行政における都道府県出先機関の役割をめぐる論点を行政資料とヒアリング調査をもとに整理し、論文等を発表した。 最終年度となる次年度は、こうした観点から、引き続き危機管理計画の実施局面における調査分析のため、ヒアリング調査に加えて都道府県へのアンケート調査を遂行する予定である。また、これらの成果を報告書・論文等にまとめる予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、これまでの理論面の知見の整理および都道府県の危機管理計画のデータベース構築を基盤として、さらに都道府県レベルの防災・危機管理担当実務家へのヒアリング調査・現地調査を2つの県において実施するなど、対面での現地調査を進めている。また、こうした調査により新たに都道府県出先機関の機能に着目し、さらなるヒアリング・アンケート調査等の準備を進めるとともに、継続的に研究成果を公表することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
最終年度となる次年度においては、これまで行ってきたヒアリング調査結果等を用いて実証的な分析を行うとともに、新たに発見された視角である防災・危機管理における都道府県出先機関の機能についての調査をさらに進め、これらの成果を報告書・論文等にとりまとめる。
|
Causes of Carryover |
パソコン等機器の使用計画に変更があり、今年度はこれらの購入を見送ったため、またヒアリング調査の実施計画に変更が生じたため、物品費、旅費に大きく残額が生じた。次年度に、物品費、旅費等として使用する予定である。
|
Research Products
(4 results)