2021 Fiscal Year Research-status Report
新たなモビリティ時代における地域交通に対する安全政策に関する実証研究
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21K01317
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長谷 知治 東京大学, 大学院公共政策学連携研究部・教育部, 客員研究員 (20533699)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 地域交通 / 安全 / モビリティ / MaaS / 自家用有償 / 公共交通 / 安全管理 / 公共政策 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度に係る研究の具体的内容としては、まず、公共交通の安全管理に係る政策について、主に国内の陸海空の運輸安全マネジメントにおける取組を中心にしつつ、交通と同様に人の移動・ネットワークに係る規制である通信に係る安全規制とも比較して検討を行った。 MaaSについては、国土交通省による日本版MaaS推進・支援事業による取り組みを中心に、既存文献、公表資料等を中心に整理した。特に2021年度は海運を事例としつつ、海外の事例を含め把握、整理、分析を行った。ただ、安全に係る取り組みまでは終えることができなかったので、2022年度に整理したい。このほか、MaaSを含む全体的なデジタルプラットフォームに係る規制については、直接的に公共交通やMaaSに対応するものではないが、特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律のほか、公正取引委員会におけるプラットフォーマーへの規制等も含め、日本国内のプラットフォーマーに係る規制や政策について整理した。このほか、安全が阻害された場合への対応としてのリスクマネジメント、特に厳格責任による交通に係る損害保険制度について整理した。 今年度行った研究は、MaaSやその大元であるプラットフォーマー規制の総体に係る現状を把握するものであり、2022年度に実施する利用運送等における安全確保策の整理・分析の基礎となるものであるが、こうした他分野との制度比較等はなされておらず、できるだけ早く具体的成果化に取り組みたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
既存文献や政策文書等は概ね収集することができ、基礎的情報を整理することができたと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は引き続きMaaSにおける安全に係る取り組みについて、聞き取り調査や文献調査により把握・整理する。次に、輸送を委託する者として観光業及び利用運送事業を取り上げ、委託者による安全確保策を把握・整理し、可能な限り優良取組事例を抽出する。また、自家用自動車による輸送について、安全運転管理者制度を含め、安全確保に係る取り組みについて、事業用と対比しつつ、整理・把握する他、取り組みを行っている団体等に対する聞き取り調査を行う。 なお、残念ながら4月末に発生した知床遊覧船による事故については、事業者による安全確保策は論点の一つと考えられ、また関越道や軽井沢における貸し切りバスによる事故とも似ていることから、モード間の比較も考慮しつつ、国土交通省の検討会での議論も注視し検討を進めたい。
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Causes of Carryover |
書籍の購入先における優遇策等により、計画額よりも低廉に入手することができた。次年度の文献入手等に使用したいと考えている。
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Research Products
(2 results)
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[Book] 国際交通論2022
Author(s)
長谷知治(宿利正史、軸丸真二編)
Total Pages
296
Publisher
東京大学出版会
ISBN
978-4-13-072009-0