2021 Fiscal Year Research-status Report
意思決定の結果が多属性、多期間におよぶ場合の選好の特徴付けとその検証
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21K01393
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
藤井 陽一朗 明治大学, 商学部, 専任准教授 (80635376)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 恒 一橋大学, 大学院経営管理研究科, 教授 (80418649)
尾崎 祐介 早稲田大学, 商学学術院, 准教授 (80511302)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 多属性効用 / 後悔理論 / エクイティプレミアム・パズル / 保険需要 / 選好の一貫性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、意思決定の結果が複数の属性であらわされる多属性効用理論を多属性・多期間モデルに拡張することを目的としている。今年度の研究実績としては、基礎研究とならんで金融分野での意思決定問題に具体化することにより応用研究を進めることとなった。 基礎研究では、既存の後悔理論を多属性後悔理論へ拡張し、公理化することに成功している。これと並行して多属性後悔理論における選好を実験により測定している。 応用研究では、多期間モデルを想定して後悔理論を用いて金融分野で未解決問題の1つとされているエクイティプレミアム・パズルの解決ができるモデルを提案している。さらに実証研究として、日本の代表的な保険需要行動のデータから個人の異時点間の選好に一貫性が確認できないことを明らかにしている。 これらの研究成果については、一部をSSRNで公表しており、国際ジャーナルへの投稿を順次進めている。また、一部の研究については、すでに国際ジャーナルへ掲載がなされている状況にある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題のテーマである、意思決定の結果が多属性・多期間におよぶモデル化については、多属性後悔理論の構築により一定の進展がみられる。また、実験および応用問題への展開がなされていることから、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、基礎研究および応用研究をより充実させることで、研究の深化が期待できる。結果が多属性・多期間であらわされる場合の意思決定問題の記述は、汎用性が高いことからも金融・保険分野のみならず消費者行動論など多岐の応用が可能である。今後の研究機関で十分な成果を上げるためにも、応用問題の絞り込みにもあたっていきたい。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症による入構規制で被験者を対象とした実験が十分に進捗しておらず、これにより使用額に差が生じている。 また対面での研究会実施が困難な状況であるので、旅費での支出が困難となっている。
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