2023 Fiscal Year Research-status Report
感情知能の制御と信頼形成に基づく効果的なバーチャルチーム管理フレームワークの構築
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21K01639
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
戎谷 梓 法政大学, 経営学部, 准教授 (90709867)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | データの追加収集 / 質的分析 / 量的分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度には、さらに多くのデータを収集することに加え、データの分析も開始することができた。 データ収集においては、対面でプロジェクトを行うチームも分析対象としてデータ収集を行った。このデータの分析結果は、既に収集しているバーチャルチームのデータ分析の結果と比較することにより、バーチャルチームに特化した管理方法に関する知見を見出すことを目指す。 データ分析については、質的な分析と量的な分析とに分けて行なっている。量的分析では、チームメンバーがプロジェクト中の特定のタイミングで他のメンバーに対してどのような感情を抱き、それがタスク遂行にネガティブな影響を及ぼしかねない種類の感情である場合にどのように感情を制御しているかについて、各調査協力者が残したリアルタイムのノーツを基に分析している。量的分析では、継続的に複数回実施・回収したアンケートの回答を基に、バーチャルチームがタスクを完了させる過程で、どのようなタイミングでどのようなタイプの感情知能を制御しているか、またそれを通してどのようにチームメンバー間で信頼を形成しているかに関して分析を進めている。分析を通して、プロジェクトの特定のタイミングで多くのチームのメンバーが類似する感情を抱き、その感情に対する対応や感情のコントロール方法が主に3つのタイプに分類されることが分かってきている。2024年度は、これらのタイプ別に感情知能の制御について分析を深める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究期間のおよそ中間的な期間にある2023年度には、データ収集も終盤に差し掛かり、データの分析も質的・量的ともに開始できた。またこれらの分析において、量的分析はほどんどの工程が終了しており、量的分析へ一層注力できる状況となっている。残りの2年間で国際ジャーナルへの投稿論文の執筆を進めることにしており、そのための材料が概ね確保できていることから、研究が順調に進んでいると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、上半期において、データ収集の最後の段階として最後のサンプルセットを収集する。それらのデータをこれまで並行して実施してきたデータ分析のフレームワークに則って分析し、既に分析が済んでいるデータに追加する。2024年度の下半期からは、国際ジャーナルへの投稿論文の執筆を開始し、最終年度である2025年度中の掲載を目指す。
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Causes of Carryover |
昨今急激に円安が進行する中で、2024年度に海外で開催される国際学会で研究発表を予定していたため、2024年度に旅費として使用できる予算を当初の予定よりも多く準備する必要が生じた。そのため、2023年度の研究費を一層節約して使用し、残額を2024年度に回すことにした。2024年度に発表予定であった当該学会には、論文が無事に採択され、7月に渡航することが決まったため、2023年度に生じた次年度使用額は、本件の渡航費として使用する。
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