2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K01689
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
小久保 みどり 立命館大学, 経営学部, 教授 (30234735)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 緊急事態 / リーダーシップ / グラス・クリフ / ガラスの崖 / ジェンダー / 危機 |
Outline of Annual Research Achievements |
緊急事態や危機に直面した組織のリーダーは、どのように行動すれば危機を乗り越えられるのかという本研究の大きな研究目的に対して、令和5年度はまず令和4年度から行っていた、危機の時に女性がリーダーに選ばれる傾向があるというグラス・クリフ(ガラスの崖)効果についての研究をまとめた。令和4年度お茶の水女子大学グローバルリーダーシップ研究所 が主催した国際シンポジウム「『ガラスの崖』をよじ登る―『ガラスの天井』の先にあるもう一つの見えない障壁」に招待されて研究発表を行ったが、その研究発表の日本語と英語の両方の詳細な報告書を作成した。さらにグラス・クリフ効果について簡単にまとめた論文の作成を依頼され、執筆した。これは令和6年4月に研究雑誌に掲載された。また、令和6年7月に行われるThe 33rd International Congress of Psychologyでのグラス・クリス効果についての研究発表の審査付きアブストラクト(英文)を作成し、受理された。 次に、危機のリーダーシップの文献レビューをさらに進めて、新たな質問紙調査の設計に着手した。その調査は、次のことを調べるものである。Coombs & Holladay (1996) によると、危機には4つのカテゴリー(外的で意図せざるもの、外的で意図的なもの、内的で意図せざるもの、内的で意図的なもの)があり、それぞれ異なるリーダーシップが必要とされる。この点をさらに進めて、この危機の4つのカテゴリーごとにグラス・クリフ効果がどのように変わるか、すなわち、この4つのカテゴリーごとに男性と女性のどちらがリーダーとして選択されやすくなるのか、リーダーとしての好ましさ、リーダーの働きへの期待はどのように変化するのかを調べるものである。この質問紙調査の内容をさらに検討して、令和6年に実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和4年12月にお茶の水女子大学グローバルリーダーシップ研究所が主催した、危機の時に女性がリーダーに選ばれる傾向があるというグラス・クリフ(ガラスの崖)効果に関する国際シンポジウムに参加したが、令和5年度はこの詳細な報告書の日本語と英語両方での作成を依頼され、それに予想外の時間をとられた。また、日本心理学会が発行している研究雑誌「心理学ワールド」に載せるグラス・クリフ効果についての原稿を依頼され、その執筆にも時間がとられた。そのため関連する先行研究のレビューが予想外に手間取り、質問紙調査の設計が遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
7月にプラハで行われるThe 33rd International Congress of Psychologyで、危機のときに女性がリーダーに選ばれる傾向があるというグラス・クリフ(ガラスの崖)効果に関する研究発表を行う予定である。その他国内の学会大会や研究会への出張、資料収集の出張も行う。 また、現在検討を進めているオンラインによる質問紙調査も行う予定である。この調査は、前項で記したように、危機の4種類のカテゴリー (Coombs & Holladay, 1996) によって、グラス・クリフ効果がどのように変わるか、すなわち、4種類の危機のカテゴリーごとに男性と女性のどちらがリーダーとして選択されやすくなるのか、リーダーとしての好ましさ、リーダーとしての働きへの期待はどのように変化するのかについて調べるものである。
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Causes of Carryover |
令和4年12月にお茶の水女子大学グローバルリーダーシップ研究所が主催した、危機の時に女性がリーダーに選ばれる傾向があるというグラス・クリフ(ガラスの崖)効果に関する国際シンポジウムに参加したが、令和5年度はこの詳細な報告書の日本語と英語両方での作成を依頼され、それに予想外の時間をとられた。また、日本心理学会が発行している研究雑誌「心理学ワールド」に載せるグラス・クリフ効果についての原稿を依頼され、その執筆にも時間がとられた。そのため関連する先行研究のレビューが予想外に手間取り、予定していた質問紙調査の内容をつめるのが遅れて、調査を実施できなかった。そのため、次年度使用額が生じた。 令和6年度は7月にプラハでThe 33rd International Congress of Psychologyが開催され、そこでグラス・クリフ効果に関する研究発表を行う。その旅費と宿泊費に本研究費を使用する予定である。また、危機の4種類のカテゴリーごとのリーダーシップに関するオンラインでの質問紙調査を実施する予定である。その調査委託費に本研究費を使用する。その他、各種事故報告書、書籍の購入、国内の学会大会、研究会への出張費、資料収集のための出張費に本研究費を使用する。
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